2010年5月31日 11時46分 更新:5月31日 13時20分
宮崎県の家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)問題で、県は31日、搬出制限区域(発生地から半径10~20キロ)の家畜をゼロにする緩衝地帯を作るため、同県都農町の食肉処理場「ミヤチク都農工場」の操業を再開させた。国の特例で認められ、約1カ月ぶりの稼働となる。
県によると、通常なら出荷できる状態(牛は月齢29カ月以上、豚は生後180日以上)で、搬出制限区域内に留め置かれていた牛1000頭、豚2000頭から処理する手順で、初日は西都市の牛29頭を処理し、通常の流通ルートで出荷するという。
同工場は1日当たり牛60頭、豚820頭の処理能力があり、県は「約2週間で終えたい」としている。
また、食用にならない内臓などの処理については、宮崎市の廃棄物処理施設が受け入れる。
今後、県は適期に満たないが食肉にはできる牛や豚も処理する「早期出荷」につなげる考え。生まれたばかりの子牛や子豚を除き、対象は牛4500頭、豚3200頭の計7700頭と推計している。
同工場は発生農家から10キロ圏内の移動制限区域内にあり、口蹄疫感染が発覚した先月20日から操業を停止していた。
また、県は国に特例で救済を求めていた県家畜改良事業団の種牛49頭の殺処分を31日、着手した。同日中に全頭を処分する。【蒔田備憲】