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パチンコ店出店を断念 |
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豊川市議会全員協議会は26日開き、第3セクター・豊川市開発ビル(同市諏訪3丁目、社長=山脇実豊川市長)が経営するプリオのリニューアル計画について聞いた。今月初め、パチンコ店の出店計画が明らかにされ、議会はじめ市民らから大反対されたことから、山脇市長が正式に断念を表明。合わせて穴埋めのため、増資(追加支援)という形で、最大7億円の市税を投入していく考えを明らかにした。総額では11億円余に上り、議会から厳しい意見が相次いだ。
山脇市長は会議冒頭に発言を求め、パチンコ店の出店(誘致)を公表後、地元の諏訪住民などから激しい抗議があったことを明らかにし、「第3セクターであり、子ども関連施設も併設されることなどから、高額な家賃は期待できるものの、全体的な支援は続けていかざるを得ず、断念するに至った」と説明した。
合わせてユニー撤退で、即時返金の契約になっている預かり金9億円余の返済について、分割方式でほぼ合意したことも明らかにした。
説明によると、パチンコ店断念による見直しで、豊川市の単年度支援額で3億2700万円、10年で最大11億2800万円が必要となり、単年度で1億5000万円、10年間で計6億円の増額となる。
市の支援額3億2700万円の内訳をみると、第1駐車場の改修2500万円▽5階床取り替え6300万円▽4階床賃借・共益費3500万円で、ここまでは見直し前と共通。リニューアル融資1億5000万円と資本増額5400万円が増額となる。
パチンコ店は地下1階に入る計画になっていて、床面積2670平方メートル。出店断念による見直しで、新規テナントの入店は6店となったものの、フロアの見直しなどもあり、空きスペース(床)は2338平方メートル(市が新たに借りるスペースも含む)。ユニー(アピタ)跡約1万平方メートルに限ると、3分の1が未定になっている。
また10カ年間収支計画も公表した。空きスペースが完売した状態を想定しており、今のままの空き状態だと、年間9200万円もの赤字を出すことになる。
予想を上回る市の負担額に、議員から、財政破綻(倒産)した場合どうなるか、シミュレーション資料を出すように求める意見や、これまでのずさんな経営責任を問う意見が相次いだ。市の所有する敷地7700平方メートルは簿価で20億円となっているものの、時価相場で8億5000万円にまで下がっていることも明らかにした。
山脇市長は「なんとしても存続させたい」と繰り返し発言。ことと次第によって、社長を辞任する考えも示した。
山脇市長が議会の理解を得て進めたいと要請したのに対し、議員の多くが「砂地に水をまくようなことを認めるわけにはいかない」など反発。8月4日午後3時から再度開くことを申し合わせて散会した。(山崎祐一)
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