韓国文化財6万点、日本の250カ所に(下)

 現在、日本の外務省などが非公式に検討している宮内庁所蔵の文化財は、朝鮮時代の王室が国の主要行事を絵と文章で記録した「朝鮮王室儀軌」や、朝鮮時代の王室図書「帝室図書」などだ。こうした文化財は、王朝実録と共に朝鮮時代の記録文化がひと目で分かるものであり、韓国内でも返還を求める声が強い。また、当時の日本が朝鮮総督府図書館から無断で持ち出したため、返還要求の根拠も十分あるというのが専門家らの話だ。

 さらに、韓国政府は宮内庁所蔵の文化財以外にも、政府レベルで返還要求できる文化財について、具体的な準備に間もなく着手するとのことだ。

 日本国内に韓国の文化財が何点あるかについては、正確な統計がない。日本による占領期の文化財流出に関し、具体的な資料がないためだ。韓国文化財庁は今年2月、「日本の250機関・個人が計6万1409点の韓国文化財を所蔵している」と発表、朝日新聞も28日にこれを報道した。この資料によると、占領期に「南鮮合同電気」の小倉武之助社長が集めた「小倉コレクション」1856点を含め、東京国立博物館に6751点あるという。ほかにも、国会図書館6748点、宮内庁4678点、京都の大谷大学5605点など、日本全国に韓国の文化財が散在していることが分かった。こうした文化財は日本の国公立大規模施設57カ所、東京・増上寺や京都・知恩院といった寺院145カ所、個人48人が所有・保管している。

 しかし、これらの文化財がいつ、どのような経路で日本に渡ったかについては、今後も多くの調査・研究が必要だと専門家は見ている。日本の文化財専門家である尚美学園大学の林容子准教授は、日本国内に韓国文化財が30万点前後あると推測している。だが、個人所蔵者は所蔵していること自体を公表しようとしないため、この数字も正確とはいえない。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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