記者会見で、死刑執行について報告する千葉法相=28日午前、法務省
千葉景子法相は28日、東京拘置所で死刑囚2人の刑を執行したと発表した。昨年9月の民主党への政権交代後初めてで、森英介前法相在任中の昨年7月28日以来。
記者会見した千葉法相は執行に立ち会ったことを明らかにし「あらためて死刑について深く考えさせられた」と述べた。その上で「国民的な議論の契機にしたい」として、(1)法務省内に死刑制度の勉強会を設置(2)東京拘置所内の刑場を報道機関に公開する-を指示したことを明らかにした。
また参院選で落選して民間閣僚になったことが執行に与えた影響については「これまで検討し、その結果として執行に至った」と述べるにとどまった。
執行されたのは、宇都宮市の宝石店で2000年6月、女性店員6人を焼き殺した篠沢一男死刑囚(59)と、埼玉県熊谷市などで03年、男女2人を殺害し女性2人に重傷を負わせた尾形英紀死刑囚(33)。2人の執行により、確定死刑囚は107人となった。