松竹・迫本淳一社長（右）から感謝状を受け取る澤村藤十郎＝大阪松竹座
１９９８年８月に病で倒れて以来、病気療養中の歌舞伎の名女形・澤村藤十郎が２７日、大阪松竹座「七月大歌舞伎」の千秋楽で関西での歌舞伎を隆盛に尽力したことで松竹から感謝状が送られた。藤十郎は関西で歌舞伎が低迷していた時期に「関西・歌舞伎を愛する会」結成に奔走。「-愛する会」３０周年を記念した夜の部の「弥栄芝居賑」に初日の３日に１２年ぶりに舞台に登場、これが倒れて以来２度目の歌舞伎の舞台への“出演”となった。「ここまで関西で歌舞伎が盛り上がっているのも、みなさまのおかげ。私もこれから歌舞伎のために尽くしたい」とあいさつ。舞台上で松竹の迫本淳一社長が感謝状を手渡すと、関西在住の坂東竹三郎が目頭を抑え、片岡仁左衛門や市川左団治をはじめとする幹部俳優や、満場の観客から熱い拍手が送られた。