ワシントン(CNN) 米下院は27日、米軍のアフガニスタン増派にともなう戦費約330億ドルを盛り込んだ590億ドル規模の補正予算案を可決した。この後、オバマ大統領の署名に回される。
予算案の内訳はアフガン戦費のほか、連邦緊急事態管理庁(FEMA)予算として50億ドル強、ハイチ復興支援に30億ドル弱、メキシコ湾の原油流出事故への対策費6800万ドルなど。
上院はこれに先立ち、教職員の解雇防止を柱とする教育予算など国内向けの支出200億ドル余りを削除したうえで、同法案を可決していた。
下院の審議では、歳出委員長のデービッド・オベイ議員(民主党)らが、アフガン政府の統治能力に疑問を呈して戦費支出に反対した。オベイ議員は、米政府がこれまでにイラクで7000億ドル、アフガニスタンで3000億ドルの戦費を支出してきたと指摘。「(国際テロ組織)アルカイダ掃討のためというが、パネッタ中央情報局(CIA)長官が先月認めた通り、アフガンに残っているアルカイダ勢力は100人にも満たない。すでに他国へ移動しているのだ」と主張した。
アフガンでの軍事作戦をめぐっては、米内部告発サイト「ウィキリークス」が25日、大量の軍事、外交資料を公開して物議を醸したが、民主党のホイヤー下院院内総務は、予算案の採決に影響はないと強調していた。