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千葉法相、パフォーマンス?死刑執行
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記者会見で、死刑執行について報告する千葉法相
Photo By 共同 |
千葉景子法相は28日、東京拘置所で死刑囚2人の刑を執行したと発表した。昨年9月の民主党政権交代後初めてで、森英介前法相在任中の昨年7月28日以来。
記者会見で千葉法相は、執行に自ら立ち会ったことを明らかにし「きちんと見届けることも責任と考えた」などと述べた。法務省によると、法相が立ち会うのは初めてとみられる。
その上で「国民的な議論の契機にしたい」として、(1)法務省内に死刑制度の勉強会を設置(2)東京拘置所内の刑場を報道機関に公開する――を指示したことを明らかにした。
千葉法相は、就任前まで「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属し廃止の立場を取ってきたが「(今後の議論で)廃止の方向になれば、それは一つの回答だ」と、これまでの考え方と矛盾しないことを強調した。
また参院選で落選した民間閣僚への批判がある中での執行については「参院選前から検討していた。その結果として執行に至った」と述べた。
関係者によると、千葉法相が死刑執行の命令書に署名したのは24日だったという。参院選の投開票は11日だった。
執行されたのは、宇都宮市の宝石店で2000年6月、女性店員6人を焼き殺した篠沢一男死刑囚(59)と、埼玉県熊谷市などで03年、男女2人を殺害し女性2人に重傷を負わせた尾形英紀死刑囚(33)。2人の執行により、確定死刑囚は107人となった。
菊田幸一明治大名誉教授(犯罪学)は「法相は既に議員でもなく、内閣から指示があったとしか思えない。本心じゃないと思う。重刑罰化を世論に印象づけ、政権の人気回復を図るための政治的パフォーマンスではないか」と話している。
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