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きょうのコラム「時鐘」 2010年7月29日
幼い姉に妹が生まれて周囲の関心が妹に移ると、姉が「赤ちゃん返り」するそうだ。だだをこねたりいたずらしたり。「わたしの方も向いて」とのアピールだと児童心理学者は言う
久々にスポットを浴びた辻元清美衆院議員にその「かわいそうな姉」を見た。ちやほやされて、お姉ちゃんを嫉妬(しっと)させた妹は民主党の蓮舫行政刷新担当相だろう。政治家を矮小(わいしょう)化するつもりはないが、辻元議員の涙の離党が政治問題とはとても思えないのである 嫉妬はだれにもある。政治家の嫉妬は闘争のエネルギーにもなる。本当は女性よりも男性議員が強烈で、嫉妬は「女偏」ではなく「男偏」で書いたらいいと言った女性議員もいたくらいだ。テレビに出て目立つことで政治家が評価される風潮がそれを助長したように思う 賭博問題で揺れた名古屋場所が終わったら、不祥事の対応に説明がなかったと横綱審議会がご立腹だ。特別調査委員会にスポットが当たりすぎた結果である。主役が脇に追いやられて怒った。これも一種の男の嫉妬だろう 権力の蜜を一度は味わい、それを失いかけた者の抵抗は、なぜか哀(かな)しい。 |