野球賭博関与の城ノ龍が新十両に

　日本相撲協会は２８日、愛知県体育館で大相撲秋場所（９月１２日初日・両国国技館）の番付編成会議を開き、新十両４人を含む十両昇進力士７人を発表した。賭博へのかかわりが軽微だとして名古屋場所に出場した城ノ龍（２６）＝本名小林光星、境川部屋＝も新十両に昇進した。

　城ノ龍にとっては、何とも複雑な新十両決定となった。相撲留学した鳥取城北高の先輩にあたる大関・琴光喜関が場所前に解雇された。自らと同じ境川部屋の豪栄道関、豊響関の両幕内力士は謹慎処分で、境川親方（元小結・両国）も謹慎と、周囲は野球賭博で罰を受けた。

　皮肉にも、野球賭博問題が十両昇進を後押しした。東幕下４枚目で５勝２敗。いつもだと、ほかの力士の成績次第では十両に届かないことがよくある。今回は十両の４人が謹慎し、元琴光喜関の解雇で関取の枠が１つ空き、文句なしの新十両。９日目に勝ち越し、関取の座をほぼ手中にしても「親方とおかみさんは、どんな時でも僕を子供のようにかわいがってくれた」と、伏し目がちだったのも無理はなかった。

　１３日目には名古屋場所の部屋宿舎に関し、境川部屋が暴力団との交流を指摘される会社から土地を購入したことが報じられ、さらなる騒動に巻き込まれた。城ノ龍は昨年１１月に日本国籍を取得。姓を師匠の本名からもらって「小林」にした。普通なら師弟そろって祝福ムードに包まれるが、今回ばかりは事情が違った。