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加藤被告が供述 ネット依存と母から虐待

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件の公判で、殺人罪などに問われた元派遣社員加藤智大被告(27)に対する被告人質問が27日、東京地裁で始まった。凶行の原因について被告は、ネット掲示板における自身への嫌がらせを「本気でやめてほしかった」ことを、事件報道を通じて伝えたかったと説明。掲示板を自分の「帰る場所」とし、それへの強い依存も告白した。幼少期以来、母親から何度も受けた、虐待とも思える仕打ちについても明かした。法廷で動機を供述したのは初めて。

 黒いスーツ姿の小柄な加藤被告は、傍聴席に深く一礼して入廷。ほおはこけ、顔は青白い。しかし弁護人からの質問が始まると、冷静に供述した。まず「責任はすべて私にある。真相を明らかにすべく、すべてお話ししたい」と謝罪。事件の原因については「3つあると考えている」と述べた。(1)私のモノの考え方(2)ネット掲示板での嫌がらせ(3)掲示板に強く依存した私の生活のあり方-という。

 (2)について被告は「掲示板の私のスレッド(板)に、私のニセモノが現れたり『荒らし』をされるなどの嫌がらせがあった。大切な人間関係が壊された。それを『本気でやめてほしい』と思っていたことが、事件が報道されることで伝わればという気持ちがあった」と述べた。弁護人から、掲示板利用をやめる選択はなかったのか聞かれると「できません。掲示板は他に代わるものがない大切な場所。自分の居場所、帰る場所だった」と語気を強めた。

 (1)については、「言いたいことができた時、言葉で伝えず、行動で示して周囲に分かってもらおう…という考え方」と説明。寮や複数の職場で、周囲とトラブルが生じると、直接口頭で抗議せず、職務放棄したり、突然殴ったり、仕事を辞めることで当事者に対する「アピール」を繰り返してきたことを具体例とともに告白した。

 被告は08年の事件直前、携帯電話のネット掲示板を頻繁に利用。犯行予告も書き込んでいたとされる。被告によると、埼玉県で派遣社員をしていた05年ごろから、趣味のゲーム情報を見ているうちネット掲示板にはまり、掲示板上の友人ができ始めた。「ゲーム好きで、オタク的要素も持っているので『オタクの聖地』秋葉原にも興味がわき、行った。メイド喫茶にも行った」とオタクぶりも告白。

 弁護人が、被告が掲示板に書き込んだ「私はブサイク」とか「ゲームセンターでイチャイチャしてるカップルに放火していいですか?」などの文章の真意を問うと、被告は「面白がってもらおうと書いたネタ。『ブサイク』などは自虐で笑いをとる趣旨だった」と得意げに危険性を否定した。

 その後「仕事以外は全部掲示板(利用時間)」という状況に。「電話やメールは、離れたところの人とやりとりするツール。掲示板は『同じ場所を共有する』感覚になれるもの。家族同然」と冗舌に“掲示板論”を述べた。被告人質問は29日以降も予定されている。

 [2010年7月28日8時33分 紙面から]


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