口てい疫の早期発見のシステムを
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口てい疫の早期発見のシステムを

7月27日 19時36分

今回の口てい疫をめぐっては、1例目の発見までに時間がかかったほか、国と県との間で意見が分かれ、対策が後手に回るなど課題を残しました。専門家は、感染を早期に発見するためのシステムを作ることが重要で、国が中心となって強力な封じ込めができる仕組みを整えるべきだと指摘しています。

宮崎県の口てい疫の問題では、ことし4月以降、およそ29万頭の牛や豚などが処分されたほか、家畜の移動や搬出の制限もおよそ3か月にわたり、あわせて20の市や町に及びました。大規模な感染の拡大について、農林水産省の調査チームは1例目の感染が見つかった時点で、すでに10軒以上の農家に口てい疫が広がっていた可能性が高いなどとして、最初に口てい疫と確定するまでに時間がかかった問題をあげています。また、感染の拡大を防ぐためのワクチンの接種や、種牛の扱いなどをめぐっても国と県との間で意見が分かれ、対策が後手に回るなど課題も残りました。これについて口てい疫に詳しい帝京科学大学の村上洋介教授は「被害の拡大を抑え込む最大のポイントは早く発見することだ。ウイルスを早期に発見するための簡易な装置を農場に導入するなどシステムを作ることが重要で、こうすることによって人間の判断ミスも避けることができる」と指摘しました。そのうえで、現在、家畜の伝染病対策の権限の多くが都道府県にあることについて、村上教授は「畜産の規模、流通を考えると、想定を超える発生があれば、またたく間に全国に広がるおそれがある。小さな段階で封じ込めができない場合、国が中心となって、感染の規模に応じた強力な封じ込め対策ができる仕組みを整えるべきだ」と指摘しました。