数学者の森毅氏が死去…８２歳、全身やけど回復せず

　数学者、評論家で京大名誉教授の森毅（もり・つよし）氏が、２４日午後７時３０分、敗血症性ショックのため大阪府寝屋川市の病院で死去した。８２歳だった。葬儀・告別式は行わず、喪主も置かない。

　森氏は東京・浅草の出身で、東大理学部を卒業後、１９７１年から９１年まで京大教授を務めた。在任中は「一刀斎」のニックネームで名物教授として親しまれた。

　退官後は、京大名誉教授となる一方で、フリーな立場で、テレビ出演や著作執筆活動などを行った。９２年には、タレントの細川ふみえと共演したスポーツ飲料のテレビＣＭが話題になった。

　「違うことはいいことだ。アハハって面白がってればいいのよ」など、やわらかな関西弁で、肩ひじを張らない発言を貫き、ファンも多かった。数学だけではなく、時事問題なども論評。偏らず、リラックスした物の見方を世間に広め続けた。

　阪神タイガース、宝塚歌劇団のファンとしても知られた。著作は、「ものぐさ数学のすすめ」、「ええかげん社交術」など１００冊を超えた。

　昨年２月２７日、京都府八幡市内の自宅で昼食の卵料理を調理中に、火が衣服に燃え移り、大やけどを負った。やけどは胸、腕など全身の広範囲にわたる重傷で、大阪府の病院に入院。治療を続けていたが、回復には至らなかった。

（2010年7月26日06時03分  スポーツ報知）

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