加藤被告「ネット掲示板に依存」…秋葉原無差別殺傷事件公判　被告人質問

　東京・秋葉原の無差別殺傷事件の公判で、殺人罪などに問われた元派遣社員加藤智大被告（２７）に対する被告人質問が２７日、東京地裁（村山浩昭裁判長）で始まった。被告は、弁護人から事件を起こした原因を尋ねられ「３つある。わたしの考え方、（インターネット）掲示板での嫌がらせ、掲示板に強く依存した生活の在り方」と述べた。

　法廷で動機を供述したのは初めて。冒頭で今年１月の初公判同様、被害者や遺族に向け「申し訳なく思っている」と謝罪。「どうして事件を起こしたか真相を明らかにし、同じような事件が将来起こらないよう参考になればと思う」と述べた。

　被告は「現実は建前で、掲示板は本音」とし、掲示板をめぐって「わたしに成り済ます偽者や嫌がらせがあった。事件を起こしたことを報道を通じて知ってもらい『嫌がらせをやめてほしい』と言いたかったことが伝わると思った」と話した。

　原因の１つとした「考え方」については「行動で示して相手に気付かせるというものの考え方」と説明。「（掛け算の）九九ができないと、風呂に沈められた」「床やチラシの上のご飯を食べるように言われ、必死で食べた」などと幼少期の母親との関係を強調した。

　ただ、弁護人から「親のせいか」と問われると「そうではない」と否定。「（責任逃れの気持ちは）ありません」と答えた。

　この日は第１６回公判。第２回公判以降の審理は、証人尋問や書証調べが中心だった。被告人質問は２９日以降も予定されている。

　起訴状によると、被告は２００８年６月８日、秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込み、３人を殺害、２人にけがをさせた。さらにダガーナイフで刺し、４人が死亡、８人が重軽傷。警察官１人も襲ったがけがはなかった、としている。

（2010年7月27日15時28分  スポーツ報知）

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