■元世界女王 夫(アビMF・中町)の活躍励み
福岡県春日市にある空手の道場「晟心館(せいしんかん)」に通う“美しすぎる空手家”が、26日に開幕する第53回全国空手道選手権大会(東京体育館)一般女子の形の部に出場する。両親はカナダ人で日本国籍のウォーターハウス美希レベッカ(24)だ。2004年の世界空手道選手権16―18歳女子形の部で優勝。今年1月にJ2アビスパ福岡のMF中町公祐(24)と結婚した後も空手の大会には旧姓で出場している元世界女王は、今季5得点と活躍中の夫に負けじと「日本一」を狙っている。
■一般女子形の部出場
端正な顔立ちが、拳を突くたびにいっそう引き締まった。午後8時から約2時間の形げいこ。週2回、道場に通うウォーターハウス美希レベッカは流れる汗も気に留めず、全部で25ある形を繰り返した。「だんなが活躍しているのに、自分が調子悪くなるのは嫌。今年は勝負と思っています」。J2福岡で今季5得点を挙げ、存在感を放つ夫・公祐の活躍に発奮し、優勝を誓った。
空手は師範の父マークさん(51)の影響で5歳から始め、17歳で世界女王に。慶大1年まではタレント活動と両立した。今年1月に結婚して福岡に引っ越したが、常に道着だけは手放さなかった。「空手は生涯やるスポーツ。仕事や結婚を理由に辞めるのは、自分に負ける気がしました。形は決められた動きだけど、けいこした分だけ自分の色が出て奥深いです」
慶大で筋力トレーニングを繰り返した体は現役Jリーガーの夫も顔負けだ。公祐は「大学時代に一緒にトレーニングしたけど、腹筋や縄跳びの二重跳びは妻の方が長くできた」と脱帽。美希レベッカは「腹筋はエンドレスでできます」と笑う。
■互いに精神的支えに
互いにアスリートとして共感できる面が多く、精神的な支えになっているという。「2人とも負けても『次は何とかなるでしょ』と前向きになれます。お互いプロ意識は強いから相手の領域に深く入り込まないし、疲れていると分かります」と美希レベッカ。公祐が自宅から道場まで車で約1時間の道を送迎し、自宅でマッサージするなど、生活面でもサポートしている。
昨年は一般の部に参加して初の3位。今回4位以上になれば、来年8月の世界選手権(タイ)の出場権を得る。「だんなはサッカーの練習で応援に来られないけど、いい結果を出したい」。夫婦で今年を躍進の年にする。 (末継智章)
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■親子世界制覇へ 橋口「連覇狙う」 高校生男子形の部
晟心館からは、昨年の高校生男子形の部を制した東福岡高3年の橋口拳吾(17)が連覇を狙う。指導する父の優次氏(49)は1998年の第7回世界空手道選手権形の部のチャンピオン。拳吾は同選手権では2004年の12歳男子形の部準優勝が最高。「連覇のプレッシャーは少しあるけど、必ず世界選手権に行きたい」と親子二代の世界制覇を目標に掲げた。
=2010/06/17付 西日本スポーツ=