性犯罪:前科者の身元をネットで公開(下)

 女性家族部は「人権侵害の恐れがあるのは事実だが、子供や未成年者を保護する効果の方をより重視し、ネット上での個人情報公開に踏み切った」とコメントしている。女性家族部によると、韓国が参考にした米カリフォルニア州の事例と比較しても、公開された個人情報のレベルは決して高くないという。カリフォルニア州は性犯罪者の個人情報を公開するサイトで、当事者の身体に残る傷跡や入れ墨といった詳しい情報や、犯罪歴などもすべて参照できるようになっており、住所とナビゲーションも連動させている。

 東国大学法学部の朴柄植(パク・ビョンシク)教授は、「米国でも当初、個人情報の公開による再犯抑制効果と人権侵害をめぐって論争がなかったわけではない。しかし徐々に制度が定着し、“一人の子供でも救うことができるのであれば、個人情報を公開し続けた方が良い”という方向で社会的な合意が形成された」と語る。京畿大学犯罪心理学科のイ・スジョン教授は、「米国では複数の性犯罪者が、個人情報の公開によるストレスに耐えられず、浮浪者となり、その家族も苦痛を味わっているという報告がある。しかしそれでもより大きな観点から、公益のために個人情報の公開は必要だと考える」と述べた。

 今後は法改正が行われるまでの3年6カ月(2006年7月-09年12月)の期間も対象となるため、この間に児童や未成年者に対して性犯罪を犯した前科者401人の個人情報も、9月から同サイトで公開される予定だ。また来年4月からは、法務部の別のサイトを通じ、20歳以上の成人女性に対して性犯罪を行った人物の個人情報も公開される。

 「性犯罪者のお知らせe」には6000人が同時にアクセスできるようになっているが、サービス開始から5時間で12万件ものアクセスが殺到したため、午後には何度もサーバーがダウンした。なお、このサイトに公開されている個人情報を流布した場合には、5年以下の懲役または5000万ウォン(約365万円)以下の罰金が科せられる。

金秀恵(キム・スヘ)記者

チョン・ドンヒョン・インターン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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