一方、全国の最高路線価で下落率が2番目に大きかった名古屋駅前。高さ170メートル、36階の高層ビル「名古屋モード学園スパイラルタワーズ」は08年4月に開業した。しかし、地下の飲食店6店舗のうち2店舗が今年2月に撤退し、後が決まらない。レストランの店長は「利用客はリーマン・ショック後、減った。この地方の主力の自動車関連会社の業績低迷も響いている」。
オフィスビルが供給過剰で、空室率が過去最悪の大阪中心部。日本郵政とJR西日本は大阪中央郵便局が入る40階建てビル(賃貸面積約3万坪)の12年の完成時期を延期した。期間は未定だが、日本郵政の担当者は「延期で一時移転先の賃料の負担が生じるが、総合的に判断した」と話している。(木原貴之、舟橋宏太)