京都大学の名誉教授で数学者の森毅さんが24日、82歳で亡くなりました。 関西弁の独特な語り口であらゆるジャンルの問題にゆるく鋭く切り込み、MBSの番組にもたびたび出演していただきました。 「阪神が勝ったら・・・」(森教授・1985年) 25年前、MBSの取材で野球の「マジック」について解説する森教授。 「・・・だいたこれが正確じゃないですかね」(森教授・1985年) 「シコシコ小数点を計算するのが楽しい人もいるから、単純にせずにややこしいままにしておく方が良いのかもしれませんね」(森教授・1985年) 京都大学に在任中、剣客のような容姿から付いたニックネームは「一刀斉」。 当時の教え子だった評論家の井上章一さんは、森先生の人柄をこう振り返ります。 「単位を良くくれる方。できひんならできひんなりに答案で自分を笑わせてくれたり感銘を受けさせてくれたり、生徒なりにサービスすべきだとよくおっしゃっておられた。数学の回答と何の関係が無くても面白げなことを書いたら良い評点をくれる先生だった」(井上章一さん) また、テレビ番組で共演した作家の藤本義一さんも「あと10年は活躍してほしかった」と惜しみます。 「非常識な点を言葉に言うことで純粋で間違っている点を切り捨てていく、そこが僕は大好き」(藤本義一さん) 告別式などは行なわないということですが、大勢の人が森さんの冥福を静かに祈っているはずです。 (07/26 19:06)