第13回 中・四国VBL院生夏の学校 活動報告書
2009年 9月15日
広島大学VBL研究員広報担当
先端物質科学研究科量子物質科学専攻博士課程前期 西山 雄人
平成21年9月2日から9月4日にかけて3日間、山口県山口市の国立山口徳地青少年自然の家で行われた第13回中・四国VBL院生夏の学校に参加してきましたので、その活動を報告させていただきます。
主催: 国立大学法人山口大学 産学公連携・イノベーション推進機構
後援: 広島大学産学連携センター
広島大学VBLオフィス
島根大学 産学連携センター
香川大学 社会連携・知的財産センター
高知大学 国際・地域連携センター
参加者一覧:
教職員
広島大学
藤本由紀夫
山口大学
藤井文武、大川アキコ、中村美紀子
学生
広島大学
田中武士、山本雄貴、堀内亮、名越剛太郎、北井敏幸、西山雄人
山口大学
古川武典、谷川俊輔、栗太剛、永田隆輔、張文博、安宗直輝、河津孝昭、阿部裕一、安部優介
ベンチャービジネスに興味を持っている学生、ポスター発表の練習を兼ねた学生、専門分野以外の研究生との交流を機に新たな勉学に励もうとしている学生など、中四国地方の大学に展開するVBLで研究を行っている学生が一同に会し、各々の目標のもと講演や懇親会を通じて活発な交流を行いました。
当日は新山口駅に集合し、そこからバスで目的地へと移動しました。同じ参加者はポスターを持っていたのでお互い認識はしていましたが、まったくの初対面でうまくコミュニケーションが取れずに道中でも顔見知りとの会話しかありませんでした。山口大学の実行委員の方々は先に現地で待機しているらしく広島大学の参加者と一部の山口大学の参加者のみの移動となり、参加人数の少なさに少々不安を覚えました。
到着後、実行委員と合流し入所式・オリエンテーションを終えて、日本EVクラブの藤井智康氏に講演していただきました。日本EVクラブ設立と同時にスタートした「デロリアンEV化計画」により完成したデロリアンを、実際に駐車場で披露していただきました。ベンチャービジネスに至った経緯や具体的な動力部の説明などの講演をいただいた後に、EV化デロリアン試乗という非常に珍しい体験をさせていただき、参加者全員が興奮しながら質問や意見交換を行えたことがとても印象的でした。 |
2日目の午前中は、やまぐち総合研究所有限会社の中村伸一氏を招いての講演およびワークショップ展開を行いました。パソコン販売を通じて、顧客を絞ったマーケティングの戦略や、買い手の心理など普段の大学の講義では学ぶことのできない知識を講演してくださり、多くの点に納得できました。講演の後に、テーマを「地域資源のブランディング」として3班に分かれてワークショップの発表を行いました。各参加者の地元の特産品をもとに商品名やキャッチコピーなどについて積極的に話し合い、とうふちくわの宣伝方法や女性にターゲットを絞ったピンク色の日本酒、牡蠣の殻を用いた肥料など、班ごとの発表ではそれぞれのアプローチ方法に感心し、中村氏からも絶賛の言葉をいただきました。またこの話し合いを通じて、日頃の研究以外の話を参加者同士がすることでさらに交流を深めることができ、とても有意義な時間であったと感じました。 昼食を終えてからは、株式会社バーブワイヤーの志智綾氏に講演していただきました。関西弁のとても気さくな方で、参加者から笑いを取るたびに本人も喜んで講演してくださり、まるで友達や先輩の体験談を聞いているような感覚でした。しかしその内容は実に興味深いもので、自身の破天荒な生き方をもとに、人間を構成する要素の中でも「やる気」や「情熱」というものが如何に重要かを説いていただき、自分を初め参加者の全員が笑いながら心の中で感動を覚えていたと思います。ベンチャービジネスを通して、ある種の人生観や哲学的な部分を考えさせられるとは想像もしていませんでした。 |
|
|
講演が終わると、野外活動として山に囲われた環境をコースに利用したディスクゴルフを行いました。各班チーム戦で、そのスコアが3日目の昼食の優劣に関わるという企画だったので、全員が最後まであきらめることなく競い合い汗を流しました。山口大の方々のなかには同コースの経験者もいて初めての人にアドバイスを送ったり、初めは飛距離も方向も定まらなかったのが後半になるにつれて経験者と変わらない成果をあげる人もいたりと、とても楽しい時間を過ごすことができました。 入浴・夕食が終わってからは、ポスター発表を行いました。様々な分野で研究を行っている院生が違う分野の人間にも理解しやすいような内容を事前に作り上げており、2グループに分かれて各40分ずつ発表しました。別分野からの新しい意見や近しい分野での専門的な質問まで様々な議論が飛び交い、今後の研究におけるヒントを数多く頂きました。今回は比較的ゆとりのあるプログラムを組んでいただいたので、あまり疲れもなくポスター発表後もみんなでジュースを飲んだりトランプをしたり、研究の話も交えながら就寝まで交流が続きました。 |
3日目の朝はまず朝食をとり、宿舎の清掃を行いました。青少年自然の家の役員の方々に感謝の気持ちを込めておのおのが積極的に清掃活動に取り組みました。そして、自然の家を退所した後に、工場見学させていただくために1986年創立の山口エヌエフ電子を訪ねました。山口エヌエフ電子では計測機器の製造・販売やLabVIEWを用いた計測制御プログラムの作成などを行っており、クリーンルーム内での製造工程を見せていただいたり商品の説明をしていただいたり、価値ある時間を過ごさせていただきました。今回の参加者の多くは来年に就職活動を控えているため、このような経験は大変重宝すると思われます。
最後のプログラムとして瑠璃光寺の散策を行いました。先日のディスクゴルフの商品となった昼食をとったのちに、各々がお土産を見たり瑠璃光寺の歴史に触れたりしながら、のどかな空気の中で今回の夏の学校で学んだことを思い出しながら自由な時間を過ごしました。
今回のVBL院生夏の学校を振り返って、まずは運営してくださった山口大学実行委員の方々に深く感謝しています。ところどころで調和を乱してしまうようなこともあったと思いますし予定通りにいかないことも多々あったと思いますが、最後まで一生懸命参加者をリードし、かつご自身も楽しんでいられる姿に心を打たれました。そして一緒に活動に参加しお互い助け合いながらこの2泊3日を過ごしてくれた広島大学および山口大学のVBL院生に感謝しています。また、国立山口徳地青少年自然の家の役員さん各位、講師の先生方、山口エヌエフ電子の方々、教職員方、VBL事務員の皆様に我々の活動を支えていただいたことを心より感謝します。日常の研究生活ではできないような体験と全ての人々に対する感謝の気持ちを今回学ばせていただくことができました。この経験を活かしこれからも日々の研究に励むことを胸に誓い、この感動を次代に引き継ぐべくこれからもVBL院生研究員としての活動を続けていく所存であります。