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子どもの性犯罪急増、年齢とは不釣り合いな手口、罪の意識のなさ/神奈川

2010年7月26日

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 インターネットの有害サイトなどによる過激な性情報のはんらん。その影響を受けた、子どもによる性犯罪が県内でも急増している。10代前半の年齢とは不釣り合いな手口、罪の意識のなさ…。ゆがんだ性意識から安易に犯行に及ぶ子どもに向き合う学校や児童相談所では、どう対応しているのか―。

■校内で犯行
 横浜市内で、男子中学生が路上で女性会社員に抱きつくといった事案が多数発生。また、ある中学校の男子が、自分の性器の写真を携帯電話のメールで同じクラスの女子に送りつけ、性的な関係を迫るケースもあったという。

 性犯罪が起きるのは校外だけではない。同市教委によると、小学校高学年から、同じクラスなどの身近な人間関係の中で性犯罪が起きることもある。ある小学校では、男子が同じクラスの女子を先生の目が届かない場所に誘い出し、体を触ったり洋服を脱ぐように迫ったりして、口止めまでしていた。

■救済に難題
 加害の子どもの年齢が低いほど、その保護者は性加害の事実を受け入れようとしない傾向があるという。「いたずらにすぎないのに、学校はうちの子を犯罪者呼ばわりする」と詰め寄られたケースもあるといい、学校側は難しい対応を迫られた。

 周りにからかわれて犯行に及ぶこともある。横浜市のある中学校で軽い障害のある男子は、級友から「女子を好きになったら『セックスしたい』と手紙を書いていいんだよ」と教えられた。うのみにした男子は、罪悪感がなく強制わいせつ行為を起こしたという。

 「加害と被害の両者が同じ学校、クラスにいるとき、学校は加害者には毅然(きぜん)とした姿勢を示し、被害者には百パーセント寄り添うということが、なかなか難しい」と市教委。ある小学校の女子が同じクラスの男子に無理やり体を触られ、女子は恐怖から教室に入ることができなくなった。加害の男子はその後も教室で平然と過ごす一方、女子は別室で授業を受けざるを得なくなった。

 市教委の担当者は課題を挙げた。「被害の子に十分な救済の手が差し伸べられていない。学校は、この問題に直面したときに明確に示すべき姿勢や態度と、何を優先すべきなのかをしっかりと考える必要がある」

■肯定感低く
 横浜市西部児童相談所(保土ケ谷区)によると、ある男子中学生は小学校低学年の男児の性器を触ったり自分の性器を触らせたりした。小学校高学年のころから同様の性的問題行動を繰り返していたという。

 この男子は、勉強が苦手で友人にもからかわれ、自己肯定感が低かった。児相から治療教育のためのアセスメントを受け、中学校に通いながら在宅治療をすることに。家庭では保護者に妹と2人きりにならないように気をつけてもらい、学校では、部活に入部して体を動かしたり友人関係を築くよう促したりした。男子は再犯していない。

 同児相の医務担当係長で児童精神科医の田崎みどりさんは「児相や自立支援施設での治療だけでなく、家庭や学校でどんな生活を送るかが重要」と指摘。「家庭では親子が一緒にごはんを食べるなどコミュニケーションをよく取り、学校では気持ちよく部活をしたり友人と遊んだり授業内容が分かるようにしたりすることが大事だ」と強調、家庭や学校で生活の質を改善するよう求めている。

◆青少年の性加害の急増 県警少年相談・保護センターによると、2009年に20歳未満の青少年が起こした県内の強制わいせつ事件は44件で、前年の22件から2倍に増加。前年比6件増の281件だった全国に比べて、県内の増加率は高かった。ネットのサイトに男女交際の申し込みとその見返りの代価を書き込むといった、出会い系サイト規制法違反(禁止誘引行為)も、以前は8、9割は女子だったが、ことしに入ってから男子が女子に迫る勢いで増えている。

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