Ｊ・フロントリテイリングは26日、企業などの経費削減を支援するコンサルティング業を始めると発表した。９月１日付で全額出資の子会社を設立。傘下の百貨店やスーパーで培った効率的な人員配置や備品発注などのノウハウを提供する。景気の先行き不透明感が強いなか、経費削減に取り組む企業が今後も増えると判断。３年後に受注ベースで５億円程度の売上高を目指す。

　新設する子会社は「ＪＦＲコンサルティング」（東京・江東）で、資本金は１億円。Ｊフロントの土井和夫執行役員が社長を兼務する。従業員は７人程度で始める。

　業務の外注や従業員の働き方の見直しといった実践的な助言のほか、経費削減計画の立て方も支援。電球など備品の購入単価を下げるための発注代行も請け負う。

　顧客は流通業に限らず、メーカー、学校、病院など幅広い業種を想定。顧客が実際に減らせた費用に応じて報酬を受け取る。

　Ｊフロントは2007年９月に大丸と松坂屋が統合して発足。経営改革を進め、今年２月末までの２年半で販売費・一般管理費を246億円減らしたという。小売業でも同社の手法は注目されており、今年６月には北陸地盤の百貨店で経営再建中の大和に社員２人を派遣して指導にあたっている。