映画「愛と誠」などで知られる女優、早乙女愛(さおとめ・あい)さんが20日、米シアトルのワシントン大学病院で、多臓器不全のため死去したことが26日、分かった。51歳だった。体調不良で今月11日に入院し、治療を続けてきたが、容体が急変したという。23日に現地で近親者のみの密葬が営まれたという。
所属事務所によると、早乙女さんは実業家と結婚し、出産を機に女優を引退。8年前からシアトルに住んでいたが、2年前に離婚したという。
事務所では「女優を引退して10年を超え、また、日本を離れての生活も長きにわたっておりますので、ご遺族の意向もあり、このような形でのお知らせになりました」としている。
肉感的なヌードで男性ファンをとりこにした早乙女さんは1958年、鹿児島県生まれ。デビュー作にして代表作のひとつが74年の映画「愛と誠」だった。人気の同名漫画の映画化で、主演の西城秀樹の相手役として、4万人が参加したオーディションから選ばれ、役名を芸名にして映画デビューを果たした。
一躍、売れっ子清純派女優に躍り出た早乙女さんが、次に世間を驚かせたのが、83年の日活ロマンポルノ「女猫」(山城新伍監督)。主演した早乙女さんは惜しげもなくヌードを披露し、ファンに衝撃を与えた。その後も映画「北の蛍」でヌードを見せ、テレビドラマではレイプシーンにも挑戦するなど、役柄を広げてきた。
ところが、96年の東海テレビ昼ドラマ「はるちゃん」を体調不良で降板。その後は時折、映画にワンシーンのみ出演する以外、表舞台から遠ざかっていた。