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太鼓叩いたら炭疽菌中毒に 動物の皮から飛散?米で症例

2010年7月27日10時48分

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 【ケネウィック(米ワシントン州)=勝田敏彦】米ニューハンプシャー州で、太鼓をたたいたり踊ったりするイベントに参加した女性(24)が炭疽(たんそ)菌中毒になり、2カ月間入院していたことがわかった。太鼓に張られた動物の皮に付着していた炭疽菌の胞子が飛び散ったらしい。米疾病対策センター(CDC)がまれな症例として週報で報告した。

 この女性は昨年12月にイベントに参加した。翌日以降、発熱や筋肉痛といったインフルエンザに似た症状が出て、悪化が続いたため入院。検査の結果、炭疽菌に感染していることがわかった。

 衛生当局は飲み物や農作業での感染を疑ったが、可能性が否定され、太鼓イベントの疑いが浮上。太鼓の皮などを調べたところ炭疽菌が見つかり、菌の型が女性の血液から見つかった菌と一致した。

 CDCは「同様の例での感染の危険性は非常に低いが、原因不明の発熱などでは可能性に留意を」と指摘した。

 炭疽菌は、胞子の形で長い間生息でき、土壌から動物やその加工品を通じて人間に感染する。家畜の衛生状態が悪いと感染しやすく、途上国を中心に年間に2万人が感染しているが、日本では1994年を最後に報告されていない。抗生物質で治療できるが、治療が遅れると死亡する場合もある。

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