2006-06-28 21:45:16

怒りの泥水ワイン

テーマ:ジュブレ・シャンベルタン

ドメーヌ・ルネ・ルクレール グリオット・シャンベルタン 1998
購入日    2006年5月
開栓日    2006年6月25日
購入先    うきうきワインの玉手箱
インポーター サントリー
購入価格   9980円

ブログの更新頻度が落ちているが、今週の土曜日の同窓会関係の集会で、
2時間のプレゼンをする予定で、その準備に忙殺されて時間がないためである。

客観的な資料を提示しながら、医療問題という重い話を2時間もする準備を、まったくの白紙から
こしらえる、というのは相当骨が折れる。
報酬などもちろん要らないが、こういう発表の機会を与えてもらえるだけ名誉なことだと思っている。

しかしわたしの本職は町医者で、毎日の診療時間の7~8時間の間には何もできないし、
夜には酩酊してこれまた何もできない(自業自得)。

そんな中、貴重な日曜日の24日だったが、東京からワインの師匠が来阪し、
もう一人の親友も交えて夕刻からワイン会となった。

ところが、満を持して開けたこの稀少なグラン・クルが大ハズレ。
最近開けるブルゴーニュのグラン・クルで、まともなものが少ないが、どうしたことだろう。
特級畑の名を冠する最高峰のワインで、ここまでいい加減なものを掴まされると、
ワインに対して普段は寛大なわたしでも、許せなくなる。

この1本は、売り物になる飲み物ではない。
ベッタリとボトル壁に付着した澱。
しかし、キャップシールはよく回るし、ボトルの色が茶色のため、開栓前に気付くのは不可能である。

芳香を放つのはコルクだけで、グラスに注いだ泥のような濁った液体からは、
腐った雑巾のような異臭が漂う。

小売店はともかく、インポーターはサントリーである。
小売店に少量入荷したそうだが、それまでどこで寝ていたワインなのだろうか。
不良ワインと承知の上で、小売店に流したものなのだろうか。
それともたまたまこの1本だけが、不良ワインだったのだろうか。

1万円もする不良ワインをつかまされた消費者は、気付かず喜んで飲み干すと
思っているのか、黙って泣き寝入りするとでも思っているのだろうか。

わたしの推測するところ、このワインは、樽の最も底に溜まった澱のフラクションを瓶詰めした
もので、責はドメーヌにあるものと思われる。
同じワインはもう1本購入したし、2001も2本購入して手元にある。
これら3本を瓶の外から確認しても、澱の状態も明らかでない。
瓶の色が茶色で濃すぎるのだ。

ともあれ、このブログを小売店に知らせるとともに、苦情のメールを今から送る予定である。
このワインがどうしようもないものであったことは、非常にワインに詳しいわたしの師匠・・・
ミシェル・グロとも親交のあるフランス語教師と、もう一人の親友も確認済みだ。

小売店もこんな代物だと思って販売したのではないだろう。
今後の対応については、正直にまた報告したい。

インポーターや小売店が、あくまで造り手の立場に立つのであれば、
こんなに暴騰して不良ワインが混じるブルゴーニュ・ワインに未来はない。
福沢さんをポンポンとドブに捨てても無頓着なお金持ちだけを相手に、
商売をされればよろしかろう。

そのようなことはないと、わたしは信じる。

コメント

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1 ■これ、頭に来ますよね!

グランクリュでこんな事があると頭に来ますよね。
griotteさんが、だめ出しするワインは、自分が飲んで美味しくなかったものと相関しているように思われます。以前、ブログに書いておられた`プーレ・ペール・エ・フィス`や今回の`ルネ・ルクレール`、私、嫌いです。いずれも1~2本程度ずつぐらいしか飲んだことが有りませんが、ボトル差であったにせよ、許容範囲を越えたものと思われるワインで、今後、品質が改善することがあったにせよ、飲む気になれません。
こういう物があまり出回らない事を期待して購入する日々です。
しかし、フィリップ・ルクレールは、個人的に大好きで、ワインバーなどに行くとACブルゴーニュを良く飲むのですが、兄弟で、何でこんなに違いが出てくるのかが分かりません。

2 ■ルネ・レクレールの実力?

はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいております。

さて、ルネ・レクレールですが私は結構好きな造り手だったりします。決して強い果実味はないのですが、しみじみと染み渡る果実味と適度なスモーキーさのバランスが秀逸であり、また熟成を経て、妖艶な香水のようなフレーバーを感じさせてもくれました。

何本か村名やACブルゴーニュを飲みましたが、品質的にも安定しておりました。決して問題のある造り手ではありません。

私のつたない経験では、べったりと瓶に張り付く澱には色々パターンがあります。ひとつは急激な温度変化、特に強烈な熱を浴びた場合に生じるもの。もうひとつはノンフィルタによるもの(樽底はさらに強烈)。で、ルネ・レクレールですが、私にはノンフィルタを徹底する造り手とは思えません。瓶詰めにしてもグリオットはさすがに生産量が少ないので樽から直詰めかもしれませんが、それでも醸造のあらゆる段階で攪拌や澱引きが行われ比較的均質化しているような気がします。この場合はやはり後天的な要因で劣化していたのでは?と思うのです。勿論どの段階でかはわかりませんが。

ちなみにupsidedowninsideoutさんとは逆に私はフィリップ・ルクレールが苦手です。あの果実味を覆い尽くす新樽の風味が辛いのです。同じ新樽ばっちりであってもジャイエ・ジルあたりは果実味も感じられてなかなかと思うのですが・・・。

3 ■>upsidedowninsideoutさん

コメントを頂いたのに、遅くなってすみません。
わたしはルネ・ルクレールはおそらく初めて開けたので、予備知識なしでした。
HNのgriotteだったので、この1998と2001を2本ずつ購入したのですが、最初の1本がこれでした。
フィリップ・ルクレールにはわたしも良い印象を持っていますが、まだ確信を持つまでの経験がありません。
このワインの顛末は、またご報告します。

4 ■digiengelさん始めまして

わたしのお気に入りにも、ちゃんとdigiengelさんのHPはだいぶ前から入っております。
コメントいただき、深謝です。

このワインのボトルを眺めていると、ノンフィルタによるものとしかわたしには思えないのですが、
どうなんでしょうか???
強烈な熱を浴びて発生した大量の澱がどんなものか、わたしには経験がありません。
このワイン、インポーターに残った分を送りました。
なにがしかのコメントはあると思います。
またご報告させていただきます。
ぜひ今後もご教示下さい。

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