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<裁判員裁判>控訴率低下、裁判滞留はやや改善 開始1年

7月26日21時20分配信 毎日新聞

 最高裁は26日、裁判員制度開始から約1年となる5月末までの裁判員裁判の実施状況を公表した。全国で3369人が裁判員に選ばれ、554件(被告は582人)の裁判で判決を言い渡した。控訴があった割合(控訴率)は29.0%で、裁判官だけの裁判より5.6ポイント低下していたことが明らかになった。

 最高裁によると、判決を受けた被告582人のうち169人(弁護側も含む)が控訴した。検察側控訴はなかった。裁判員制度対象事件で、裁判官裁判により08年1年間に出された判決に対する控訴率は34.6%。最高裁は「被告が起訴内容を認めた事件がほとんどだったという事情もある」と説明する。

 また判決が言い渡されたのは、5月末までに起訴された被告1898人の30.7%。3月末時点で起訴された被告のうち判決に至ったのは26.7%で、裁判の滞留は若干改善された。だが公判前整理手続きに要した期間は平均4.2カ月で3月末と変わらず、依然として裁判の準備に時間がかかっている。手続き期間は被告が起訴内容を認めたケースは3.8カ月、否認したケースは5.2カ月。

 一方、個別裁判で裁判員候補者に選ばれたのは計5万2206人で、約半数の計2万7141人が辞退を認められた。裁判員選任手続きには出席義務のある候補者のうち82.6%の2万1321人が出席。補充裁判員は1298人。裁判員が職務(選任手続き、審理、評議)に従事したのは平均3.8日。平均評議時間は7時間19分で、被告が起訴内容を認めた裁判は6時間48分、否認した裁判は8時間47分だった。

 多数の被告に判決を言い渡した地裁は▽千葉65人▽大阪54人▽東京49人▽さいたま29人▽横浜25人−−など。判決を受けた被告の罪名(未遂含む)は(1)強盗致傷153人(2)殺人127人(3)覚せい剤取締法違反53人(4)現住建造物等放火44人(5)傷害致死41人−−の順だった。【伊藤一郎】

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最終更新:7月26日21時37分

毎日新聞

 

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