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【口蹄疫】移動制限を完全解除 初動の遅れ、国と県の対立…3カ月で大きな犠牲 (2/3ページ)
■甘さ浮き彫り
また、チームは感染拡大の要因を「症状の確認の遅れや、埋却地の確保に手間取り殺処分と埋却が遅れたこと」と指摘する。
前回(平成12年)の口蹄疫の経験を生かし、国は家畜伝染病予防法と具体的な防疫方法を示す防疫指針を整備。埋却地については、都道府県があらかじめ市町村などと協議して確保に努めるよう定めた。
だが、指針には埋却地が不足するほど流行した際のノウハウはない。県も「埋却地について大ざっぱな計画しかなかった」。対応は後手後手となった。
感染が広がりつつあった5月の大型連休中に赤松広隆農水相(当時)が外遊したことも大きな失点に。発言のブレも混乱に拍車をかけた。
埋却地が不足した県と、大きな危険を想定した指針を備えておらず、トップが一時不在だった農水省。両者の対応からは認識の“甘さ”が浮き彫りになった。
■国と県の対立
7月には民間種牛の殺処分をめぐる国と県の対立で、家畜の移動制限解除が一部で遅れる事態も起きた。
一貫して殺処分を求めた国に対し、殺処分と救済の間で揺れ動いた県の対応のブレが、所有者も巻き込んだ混乱を生んだといえる。
貴重な種牛をめぐる県の対応は、殺処分対象となった県の種牛49頭が未処分と分かるや国へ特例救済を求めたり、本来なら殺処分対象の5頭を特例救済するなど、一貫性がなかった。