公開された「氷河特急」の事故車両=26日、スイス・バレー州ブリッグの鉄道運行会社MGB車庫、関口聡撮影
亡くなった日本人女性が乗車していた「氷河特急」6両目の車輪の状態を説明する公共交通事故調査局の責任者=26日、スイス・バレー州ブリッグ、関口聡撮影
脱線横転事故を起こした「氷河特急」の5両目(後方左)と6両目(同右)の前で説明する公共交通事故調査局の責任者=26日、スイス・バレー州ブリッグ、関口聡撮影
【ブリッグ(スイス南部)=稲田信司】スイス南部バレー州で起きた「氷河特急」の脱線事故で、事故原因の調査を担う連邦政府の公共交通事故調査局(SEA)の責任者バルター・コベルト氏は26日、運転士が地元警察との合同の事情聴取に対して「線路がゆがんでいるのが見えたが、何もできなかった」と答えていることを明らかにした。
コベルト氏は事故現場から車で30分ほど離れた所にある車庫で、事故車両を前に記者会見した。運転士の話について同氏は「線路は脱線事故でゆがんでおり、事故前に異常があったかの検証はできない」と説明した。横転した二つの車両の車輪に異常がなかったとも述べた。事故原因に関する暫定的な調査結果を早ければ29日にも公表する考えも明らかにしたが、調査報告書がまとまるまでには数週間かかるとの見通しを示した。
また、同氏は事故での入院者は13人となり、重傷の7人を含めた全員が快方に向かっていると語った。