水の結晶とは
水は、生命の源であり、生命活動の基本をなすものです。
これまでその存在が余りにも当たり前に思われてきましたが、今ほど水の重要性が力説される時はないといえます。
河川や海の化学汚染は言うに及ばず、地下水や雨水に至るまで汚染が進行し、生態系を脅かすまでになっています。
今、水を守る事や汚染された水を浄化する技術の重要性はますます高まっています。
かつて水はありふれた単純な物質であると思われていたのに対して、近年においては様々な計測技術の発展にともない、非常に複雑な性質を持ったものである事が分かってきています。
1994年に江本勝によって考案された水の氷結結晶写真技術は、水の知られざる特性を探るために開発された技術です。
河川水、湖水などの天然水、名水と呼ばれる湧水、各地の水道水など、さまざまな種類の水の氷結結晶写真を撮影した結果、いわゆる“良い水”はとても美しくバランスの取れた六角形の結晶構造を示すことが分かりました。
それに対して汚染された水は秩序だった結晶を示さないという傾向が見られました。
しかしそれだけではなく、様々な処理によって、例えば音楽を「聴かせる」事によって、さらには人間の言葉によっても結晶構造が変化するなど多くの事例を蓄積してきました。
結果的に従来科学の方法論だけでは捉えきれなかった水の性質について、新しい視野が開けたのです。
そして、まさしく水は人間の姿を映し出す鏡である事が分かりました。
私たちは、もっと深く水の重要性とありがたさを自覚する必要があります。
生命の源であり、摂理を具現化するものとして、水に対して畏敬の念を持つ必要があります。
自分たち自身の姿を映し出すものとして、水からもっと学ぶ必要があります。
観察・撮影手順と評価基準
写真集に登場する結晶映像は、以下のような手順で撮影を行っています。
検体(水)を凍らせる際の手順
1) 1サンプルあたり50 枚のプラスチック製のシャーレに水をスポイトで0.5cc ずつ滴下します(写真1)。
2) シャーレに蓋をしてフリーザーに収めます。
3) フリーザーは最低冷却温度がマイナス25℃まで下がるもので、3時間かけてサンプルを氷結させます。
結晶撮影の手順
1) 氷結したサンプルを観察する場所は大型冷蔵室(1坪程度)で、室内はマイナス5℃に設定してあります。
2) 観察用顕微鏡は「金属光学顕微鏡(カメラ装置付き)」(写真2)です。
冷凍庫から1 つずつシャーレに載った氷結サンプルを取り出し、顕微鏡の上にセットします。
3) 氷結したサンプルは隆起しており(写真3)、その頂点に顕微鏡から落射される光を当てます(写真4)。
4) 接眼レンズを覗いて結晶を観察し、顕微鏡に設置されたカメラで撮影します。