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[20623] 【習作】ガンダムSEED_DESTINY_(仮)【種死×アストレイ】
Name: リング・オブ・オニオン◆94a87034 ID:b6c1d83a
Date: 2010/07/25 17:38
 注意書き

 ガンダムSEED_DESTINYの続き物です。
 オリキャラが割と脈絡なく出てきます。
 キラが主役(の予定)の物語(予定)
 物を書くのははじめてなので、更新が遅いです。

___________________

ガンダムSEED_DESTINY_if_遥か彼方の世界へ
プロローグ


 CE73、ブレイク・ザ・ワールドと呼ばれるコロニー落下テロ事件が世界を激震させた。このテロ事件を切欠として、世界中が戦渦に巻き込まれ、各地では様々な悲劇が起きては消えていった。そうして時間がたつうちに、やがて世界中を巻き込んだ戦いの火は少しずつ小さくなり現在一端の終結を見せ、世界は表向き落ち着きを取り戻しつつあった。しかし実際には、各地に刻まれた戦争の爪あと、ニュートロンジャマーの影響によるエネルギー不足、ロゴスの消滅による経済的混乱など、さまざまな問題が未だ解決しておらずその影響は地球上の大多数の国に及んでいた。その中でも最も重大な問題はエネルギー不足による貧困の拡大だ。特にひどい地域では、限られたエネルギーの奪い合いから、小規模ながらも幾つかテロ事件まで発生している。
 各国は戦争の因であった連合とプラントに対して強い不信を抱いており、このまま手をこまねいていては両国にとって後々厄介なことになるであろうことが予想できた。そのため、この件に早急に対応するためプラントと連合の間で幾度も会談が行われた。その結果、両国は火星のオーストレール政府に接触するという結論に行き着いたのだった。


 火星には地球では希少なニュートロンジャマーキャンセラーのベースマテリアル、その鉱脈が存在している。また、火星はレアメタル鉱脈こそ多いが、水や食物の供給が困難な過酷な土地も多く、支援を必要としていた。そこで、両国は火星の開拓、様々な技術提供と引き換えに、ニュートロンジャマーキャンセラー製造協力の約束を取り付けたのだ。
 ニュートロンジャマーキャンセラーが主要都市部に行渡れば、当面のエネルギー不足に関しては対応することできる。両国はお互いが牽制しつつも、各国流動量や名義を公表しベースマテリアル産出管理を火星側が行うというという条件の下、ニュートロンジャマーキャンセラーの作製が開始された。火星に大きな借りを作ることになったが、これでエネルギー不足の問題は一応解決の目処が立つことになったのである。
 両国はまず、地球と火星の長距離移動可能な手段の構築に取り掛かった。本格的に火星に人、物、技術などの支援を行うため、またニュートロンジャマーキャンセラーのベースマテリアル等のレアメタル大量運搬のためである。
 当初、オーストレールをはじめとする火星政府との会談時の際には、ニュートロンジャマーの影響が低いレーザー通信を行っていた。しかし実際に現地に赴くことの出来ない現状では、ベースマテリアルの確保にも支援にも十分対応できるとは言えなかった。そこで、プロト・ジェネシスと呼称される以前からも開発が進められていた幾つかの宇宙船加速器を改修し、物資運搬を行おうという案が出され、火星と地球、双方の宙域に2基の大型加速器《ジェネシス・ロード》の設置を決めたのだ。
 かつての殺戮兵器ジェネシスは本来の加速器ジェネシス・ロード(新世界への道)としてその役割を果たすこととなったのだった。
 こうして始まった火星と地球の関係だが、ここから更にいくつもの波紋が生まれることとなった。

 一時的なエネルギー不足解消により、さらに拡大していく宇宙開発関連業。
 より高性能な加速器を、より大量輸送可能な宇宙船を、と次々大型の長距離輸送船が登場し、火星との交流が少しずつ活発化していく。
 それにともなう経済の活発化と新たに職を得る人々。
 火星という苛酷な環境のなか、互いに手を取り合うナチュラルとコーディネイター。
 未知の資源を求めて火星へと足を伸ばす企業。
 人々の目は今、火星、そして宇宙という新たなフロンティアへ向けられている。





 カチャカチャと音の響く薄暗い部屋。
 部屋の中には複数の男がおり、そのうち何人かは先ほどから銃器をいじっている。
 光源の弱さ以上にその場の雰囲気が部屋を暗くしているように感じられる。部屋の中は、誰一人眼を向けていない備え付けられたTVから漏れる女性ニュースキャスターの声のみが響いていた。

「……そのため、火星と地球は手を取り合うための一歩目として合同会談が開かれることになりました。困難はまだまだ残されているでしょうが、世界は新たな一歩を踏み出すこととなったのです。」

 そのニュースを聞いてはいたのだろう、暗がりの中の一人がピクリと肩を動かした。

「何が、新たな一歩だ……。今まで火星の状況に見て見ぬ振りをしてきた奴らが、今頃になに言ってやがる!」

 喋ることで更に怒りが募ったのか、男は肩を震わせ握りこんだ手を振り下ろした。

「地球に見捨てられた火星の民は、これまで苦難も自ら乗り越えてきたんだ。一番苦しいときは一切眼も向けなかったくせに、軌道に乗り出したとたんに口出ししてくる! オーストレール政府も役に立たない! 奴らがやってるのは結局俺達から自由を奪うだけだ!!」

 徐々にヒートアップしていくこの男が鬱陶しくなったのだろうか、暗がりの中、更に一人が静かに体を起こした。

「落ち着けサーロ。なにも的外れではあるまい。」
「ぁあ?!」

 食って掛かるサーロと呼ばれた男とは対照的に、静かに佇む新たな男のこけた頬には笑みがを浮かんでいる。

「火星と地球が手を結ぶのに、我々という《困難》が残されていること、我々によって世界が《新たな一歩》を踏み出すこと、まさに言葉通りだ。」

 サーロは痩身の男が放つ迫力に押されて、勢いをなくしていく。

「レメナントゥスで行われるマーズ・テラの合同会談。そこにはオーストレール政府の首相ブラーフ・ラマン、プラント議長ラクス・クライン、地球連合代表グロースタ・ローリン、世界の3勢力の代表がそろう……。我々のデモンストレーションには相応しい状況じゃないか。」

 尚強くなる笑みと対照的に瞳の中に浮かぶ炎。
 痩身の男が浮かべているのはまさしく狂信者の笑みだった。


――――――――――――
あとがき

今回はSEEDのキャラは一人も出ていません。プロローグなので。
次回はキラが登場(予定)です。



[20623] 1-1
Name: リング・オブ・オニオン◆94a87034 ID:b6c1d83a
Date: 2010/07/25 14:12







 火星のはるか宇宙(ソラ)、そこには白銀の環をいくつも集めたかのような中規模コロニー、通称レメナントゥスが存在していた。
 地球と火星の双方の出資によって設立されたこのコロニーには、地球から離れた火星のさらに向こう側、木星探査を主目的として掲げる研究施設がある。DSSDの流れを汲んで作られたこの研究施設では、プラントや連合そして中立国出身の科学者やマーシャンなど多数の人種が在籍しており、多角的な視点で日々新たな実験が行なわれている。
 そのレメナントゥスに数ある施設の一つ第5研究所では木星圏等、特殊環境下での動作を前提とした機体の開発が行われていた。



 第5研内の第C環境試験室でMSの稼動実験終了のアラームが鳴り響き、がらんと広がる空間の中で灰色の機体がピストンを収縮させながらゆっくりと着地していく。
 鳴り続けるアラーム音と反比例するかのように駆動音は徐々に小さくなり、やがて完全に停止した。
 テストパイロットの青年はそれを確認した後各計器停止の最終確認を行い、灰色のシートから腰を上げた。
 機体から降り、環境試験室から隣の実験室へ。
 青年は、2つの部屋を繋ぐ通路の途中、研究所らしく飾り気のない灰色の壁に囲まれた廊下を歩いていた。

 ……どこもかしこも灰色で、製作者は研究以外の他のものをどこかへと置き忘れたのではないだろうか?

 テストパイロットの青年は、そんなたわいもないことを考えながらヘルメットを外す。

「ふう……」

 火星仕様の赤いヘルメットの下から現れたのは茶色い短髪の青年だった。長時間作業をしていたのだろうか青年の額には軽く汗が浮かんでいる。
 青年の名はキラ・ヤマト。
 かつての大戦では英雄と呼ばれたパイロットの一人で、現在はこの施設に勤めているテストパイロット兼緊急警備員の一人である。

 キラがこの研究所に勤めることになった経緯は実に一言で説明できる。キラは元々ここへはラクスの警護で来ていたのだが、研究を興味ありげに見ていたところ、ラクスが気を効かしてここのテストパイロットを薦めてくれたのだ。
 一応他にも何人かテストパイロットはいるのだが、絶対数がまだまだ足りないらしく募集をかけていたらしい。テストパイロットの経験があり、実戦で空戦MSを動かした経験がある人を優先的に集めているという話だ。キラは、"フリーダム"の実働経験とファクトリーでのテストパイロット経験があるため問題なく採用されるだろう。
 ラクスは、キラの代わりに護衛に入るシンを連れ、キラに微笑みながらそう言った内容のことを告げた。
 ドナドナの子牛のような表情でラクスに引きつられて行くシンがどこか印象的だった……

 ……少し、疲れたかな?
 何か余分なことまで考えていた気がする。

 キラは額にかかった汗をぬぐいとった。
 環境試験室はMSの試験を行うだけあって内部はかなり広いつくりになっている。しかし、実際には環境制御装置で幾らかスペースを取られているため外から見たときよりもずいぶん狭く感じられる。その上、環境条件安定のため全周の壁面は複雑な多重構造をとっており小さな窓以外は全く外が見えないつくりとなっている。これでは、精神的に疲れても仕方がないといえよう。

「よう! お疲れさん。」

 キラの背後から差し出される缶ジュースと共にかけられる声。
 キラは缶ジュースを受け取りながら笑顔をうかべ背後へ体を向けた。

「ありがとうロウ。そっちもお疲れ様。」
「おう!」

 片手を軽く挙げキラに答えるツナギを着た青年。
 先ほどまで作業をしていたのだろうか、ずいぶんあちこち汚れている。
 彼の名はロウ・ギュール、自称宇宙一のジャンク屋だ。そしてキラにとっては命の恩人でもある。

 キラは、オーブ領海付近でのアスランとの死闘の際、"イージス"の自爆を受け蒸し焼き状態になったコクピットからロウに助け出されたという経緯があるのだ。爆発の寸前に緊急シャッターが作動したとはいえ、あのときロウに助け出されていなかったら、内部に篭る熱気で焼け死んでいたことは確実だったでろう。
 助けられた当時はキラは気を失っていたため、実際にお互いが顔を合わせたのはしばらくしてからだった。
 第2次ヤキン・ドゥーエ戦役後、キラはオーブでMSのソフト開発に協力しつつ隠棲していたころ。ある日、キラは唐突にオーブのMS開発者のひとりエリカ・シモンズに呼び出されることになる。なんでも、ヘリオポリスで研究されていたAI組み込みのMS用防御系制御システムの試作を行っており、データ取りとシステムの見直しに協力してほしいということらしい。
 そうして呼び出された先、モルゲンレーテ社の研究施設で、キラは楽しげに機械を弄るジャンク屋ロウ・ギュールと再開したのだった。
 3人は、基礎理論の構築をキラとエリカが、ハード関係の組み上げとソフトとのすり合わせをロウが主に担当し、製作に取りかかっていった。3人が力を合わせた末、それから数週間後には制御システムを組み込んだ試作一号機を完成させた。その後のことは、アメノミハシラの方でプロトシリーズと呼ばれる機体を改修する際に、試作一号の成果を組み込んだということだけ聞いている。
 そして終戦からしばらくした後、なぜか気に入られたのか、キラはときどきロウのジャンク屋稼業を手伝わされたりして、気が付くと今の友人関係に至っている。対人関係が若干苦手なキラにとって、明るく笑いながらこちらを巻き込んでくれるこの友人はありがたい存在だった。

 キラは出会ってからこれまでのことを思い出しながら、先ほどロウにもらったジュースを一口飲んだ。

 ……みそ味だ……

 キラは、ロウが味に無頓着なのは相変わらずらしいと苦笑する。
 まあ、疲れているときにこそ塩分が必要だろうなと一度うなずき、キラは再び缶を傾けていく。
 ゴクゴク飲むキラの視線の先では、ロウは眼を輝かせながら端末を操作して先ほどのキラのシミュレーション記録を表示していた。

「ほんと悪ぃなあ。休日なのに、データの見直しだけじゃなく実働試験まで手伝ってもらってよ。」
「いや、別にかまわないよ。」

 キラは、学生時代は努力嫌いの勉強嫌いでとおっていたが、研究室にかよっていただけあって、元々こういった実験やプログラム弄り等は昔から嫌いではなかった。最近ではロウの影響か機械弄りも楽しいと思えるようになってきている。

「それより、よく休日に、環境試験室とMSの実働試験許可をとれたよね。」

 研究所で定められた休日では、環境試験室など磨耗しやすい設備のメンテナンスが行われる。そのため、その日の試験室はかなり限られた時間しか使用できない。そうなると、ジャンク屋であり正規の研究員でないロウが試験室を予約できる可能性はほぼ皆無と言ってよいだろう。

「オレも取れるとは思ってなかったんだけどな。」

 だめもとで昨日申請したら何故か試験室をとることが出来たらしい。ロウが特別何かをしたというわけではないようだ。
 その事実に何か引っかかりを感じながらもキラはロウの方へ視線を向ける。
 ロウはデータを何度も見直している。おそらく、現状の問題点、修正案をいくつか描いているのだろう。

「……にしても、相変わらずたいしたもんだ。これだけのデータが揃ったなら、"アマテラス一号"の完成までもう間近ってとこだな!」

 ロウはキラの後ろ、環境実験室の方を指差してにやりと笑った。
 窓から見える環境試験室は、既に電源が落ちて薄暗く、空気を換気する音が微かに聞こえるのみとなっている。その薄闇の中、ロウが示した先には、先ほどまでキラが操作していた丸に手足が生えただけの不恰好な機体がひっそりと格納されていた。
 この機体がロウが担当する現在開発中の機体、"アマテラス一号"。
 主にヴォワチュール・リュミエールの光膜技術を応用し木星環境にも対応可能な空間認識探査システム、通称アマテラス・システム。そのシステムの性能を最大限発揮するために外界センサー機能と耐圧能力に特化し設計された機体だ。

「うん。そうだね。」

 木星の苛酷環境に単独で突入するには機動力も耐圧能力もまだまだ不十分ではあるが、火星内のみで使用予定の試作型一号機としてなら、これでほぼ完成と言っても過言ではないだろう。

「それじゃあ……」

 そろそろ昼飯を食べに行こうか…そうつぶやきかけたキラの言葉を遮るかのように、扉横にあるディスプレイから声が聞こえてきた。

「ロウー! そろそろお昼にしよー!」

 ディスプレイに映っていたのは、ラフな格好をしたオレンジ色の短髪を持った女性だった。
 彼女の名前は山吹樹里。ロウと同じジャンク屋チームの一員で、レメナントゥスの各種設備の整備士として雇われている女性だ。

「……ってあれ? キラ…なんでこんなところにいるの?」

 キラに気が付いたのか、樹里は少し驚いたような声を漏らした。
 年齢はキラと同年代か若干上のはずだが、まん丸な瞳を広げて眉を寄せ不思議そうに傾ける顔をみると、とてもそうだとは思えない。
 キラは樹里の疑問に答える前に、今日初めての出会いだったなと思いだし軽く会釈する。

「樹里、こんにちは。」
「あ、うん。こんにちは、キラ」

 頭を軽く下げるキラにつられたのか、樹里もキラのほうを向いて若干不思議そうな表情のまま挨拶をする。
 樹里はしばらく挨拶したままの姿勢を保った後、視線をキラとロウの交互動かした。それで何かを察したのか樹里は急にハッと顔を上げ、ロウの方へ体を向けた。

「……まさか、ロウ。またキラを連れ出したの……?」

 呆れたように首を振る樹里。

「いくらテストパイロットだからって、休日にまで無理やり呼び出しちゃ悪いよぅ。」

 何かを思いつくたびに機械いじりをするロウは急な思いつきでのテストすることが多く、そのためテストの際には、ロウ自身か以前からの知り合いで連絡の付きやすいキラが行うという場合が多かった。特に新技術を導入する時など一人での動作確認が難しい場合は、ここ最近キラに機体操作を頼んでいた。
 樹里は、おそらくロウは今回もそういった理由でキラを連れ出したのだとあたりをつけたのだろう。
 若干にらみつけるように見つめてくる樹里に、ロウは軽く手を振って答えた。

「違う違う、今回はキラから提案してきたんだよ。今日一日は空いてるから手を貸そうか?ってな。」
「本当に~?」

 樹里はなおも若干疑わしそうにジト眼でロウを見ている。
 樹里本人は精一杯睨み付けているつもりなのだろうが、端から見ると飄々とした飼い主にじゃれ付く子犬のようで微笑ましい。

「キラも腹をすかせてるみたいだし、話は飯のときにしよーぜ。」
「もう。」

 相変わらずのロウのマイペースさに、樹里は呆れ気味に頬を膨らませた。
 だが、いつまでもそうしていても仕方がない、樹里はそう思ったのだろう。軽くため息をつき、キラとロウ2人のほうへ改めて向き直った。

「食堂の方に出前の料理を入れてあるから、2人ともそっちに来てね。」
「うん、分かった。それじゃ僕達シャワー浴びて着替えてから食堂に行くよ。大体25分くらい掛かると思う。」
「うん。それじゃあロウのことお願いね!」

 そうキラに言い残して、樹里の映るディスプレイはプツンと元の黒い画面に戻った。

「お願いって、何でキラにお願いすんだ?」

 ……それはロウの普段の態度のせいでは?
 ロウは目を離すとすぐメカ改造とジャンク集めに走りだすから。

「人にはそれぞれ、役割というものがあるからじゃないかな……。」
「そういうもんか?」
「そういうものなんだよ。」

 指摘はしない。
 ロウにとってメカ関係は生きがいなのだから、言ったところで何か変わることはないだろうから。
 樹里もそんなロウだからこそ好きなのだろうし……

 キラは頭を一度振り余計な思考を排除すると、部屋の反対に位置するロッカールームへの扉を開き、ロウへ視線を向けた。

「それよりも早くシャワーを浴びていこう。」
「ああ、そうだな。腹もずいぶん減ってきたしな。」

 そう、ご飯の前にまずはシャワーだ。
 汗をかいただけのキラはともかく、油か何かで汚れたロウがこのまま食堂に行くのは流石にまずい。
 こんな理由で食堂を汚す結果となれば、無駄に広い食堂をすみからすみまで掃除させられることになる。
 お互いそう判断したのだろう。ロッカールームの中でタオルと石鹸を持った2人は樹里に宣言したとおりロッカールームの奥にあるシャワールームへ足を進めた。

「そういばキラ。お前着替えって持ってきてるのか?」
「あっ……」

 今現在、汗をかいたキラの格好は、パイロットスーツ、そしてその下は普段着のパンツとシャツである。

 ……今日は非番だったから持ってきていなかった……。

――――――――――――
あとがき

今回の捏造設定。キラとロウが種死時代からの知り合い。
一応ロウがキラの命の恩人なのは事実なのでどこかで知り合っていてもおかしくないでしょうから捏造しました。

あと、この物語はキラが主人です。
ほかのキャラも登場させたいですが、そこは作者の技量しだいです。


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