血みどろ党内抗争へ 「菅退陣」小沢の考えこりゃアカン! 民主政権哀れな末路
「菅直人はすでに死んでいる」

2010年07月26日(月) 週刊現代
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 こうして首相はいかなる批判を浴びようと「強行突破」することを決意。未明に始まった会見では、

「選挙結果は真摯に受け止めるが、あらためてスタートラインに立った気持ちで頑張りたい」

 として、公式の場であらためて「続投」を表明したのだった。

 しかし、この会見が、選挙で苦杯を舐めさせられた民主党議員ら、中でも、特に苦戦を強いられた小沢系議員の感情を、より逆なでしたのは言うまでもない。

「すいませんとか、申し訳ないとか言うならまだしも、『新しいスタート』とか、枝野氏を含めて全員続投だとか、落選した千葉景子法相まで続投とか、これはもう血迷っているとしか言いようがない。われわれを舐めるにもほどがあります。会見には、首相の本性が出ていたと思う。『権力を手放したくない』という感情しか見えない。

 あの人は、国民のことを思って・・・などと考えてはいない。ひたすら、レベルの低い個人の権力欲、保身だけが露になっている。見ていて非常に不快でした」
(小沢グループ若手議員)

 会見終了後、首相は報道陣の問いには完黙したまま、公邸へと帰った。同じく、ふだんは多弁かつ能弁で知られる枝野氏も無言。どういうわけか、いつもは着けないメガネをかけ、記者らと視線を合わせないようにして専用車に乗り込むと、開票センターを後にした。

 翌12日、枝野氏は定例記者会見で、「辞めたくても辞められない」という、自身が置かれた苦しい立場について、生気を失った表情を浮かべながら、綿々とこう話している。

「(惨敗の責任について)私個人としては、さまざまな思いがある。また、いろいろなところから意見が上がっていることも承知している。しかしその上で、総理から『しっかりと改革を実らせるため、職務を全うしてほしい』という強い指示があった。個人的な思いは、個人的な思いだ」

 民主党の「黄門様」こと、渡部恒三元衆院副議長は、菅・仙谷・枝野トリオを、こう庇っている。

「勝負には、絶対というものはない。むしろ、負けたときこそ一致協力していかなければならない。ここで、誰の責任だ、誰が辞めるんだと言い出せば、党が潰れてしまう。党内抗争なんか始めれば、ますます国民に笑われてしまう。いまこそ一致結束が必要なんだ」

 だが、6月の鳩山「抱きつき心中事件」以来生じた、党内の亀裂は大きく深い。死に体に陥った菅政権を見て、あざ笑っているのが小沢系のグループだ。小沢グループ中堅の代議士の一人はこう話す。

「やっぱり弁護士上がりのヤツ(仙谷・枝野両氏)はダメだな。選挙結果より、法律のほうが重いと思っているんだろう。法律に違反してさえいなければ、民意を無視して居座ろうが何をしようが構わないと考えている。市民派上がり(菅首相のこと)も、自らが獲った位を自分で捨て去るようなことはしない。しがみつきたいんだよ、地位に」

 別の小沢派若手議員も、菅政権の命運をこう「予言」してみせる。

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