福岡県町村会の汚職事件で贈賄罪に問われた添田町の前町長山本文男氏(84)の辞職に伴う町長選について、山本氏は22日、後援会の会合で「要望に応えて出馬する」と述べ、立候補の意向を表明した。事件を受けたリコール(解職請求)の住民投票を避ける形でいったん辞職し、あらためて出馬することに町内には批判もあるが後援会は「全力で支援する」としている。
山本氏は、住民投票の実施が決まった後の今月5日に辞職願を出し、20日付で辞職した。後援会が「今期限り」として立候補を求めていた。
任期は、山本氏当選の場合は辞職前の任期である来年1月末まで、他の人が当選の場合は4年間。山本氏は21日、町関係者に「残りの任期を全うした上でバトンタッチしたい」と伝えていた。
山本氏は1971年から10期連続で町長に当選。全国町村会長などを務めたが今年2月に贈賄容疑で逮捕され、福岡地裁で公判が続いている。
次期町長選は8月17日告示、同22日投開票の予定。無所属の会社員山本文隆氏(62)が立候補を表明し、ほかにも出馬に向けた動きがある。
=2010/07/22付 西日本新聞夕刊=