ロシアのメドベージェフ大統領は、第2次世界大戦で日本が降伏文書に署名した9月2日を記念日とする法案に署名して成立させ、北方四島の領有は第2次世界大戦の結果だとするロシアの立場を強化するねらいがあるものとみられます。
これは、ロシア大統領府が25日、ホームページ上で発表したものです。それによりますと、メドベージェフ大統領は、上下両院議会でさきに可決された記念日に関する改正法案に署名して成立させ、日本が降伏文書に署名した9月2日を「第2次世界大戦終結の日」に制定しました。これについて上下両院議会は、第2次世界大戦で連合国側の勝利に貢献したソビエト軍の兵士を記憶にとどめるべきだとして、新たな記念日を制定する意義を強調しています。この記念日は、「対日戦勝」という表現は使わず、ナチス・ドイツに対する戦勝記念日のように国の祝日とはしないということですが、北方四島を管轄するとしているサハリン州では、第2次世界大戦の終結から65年に当たることし、新たな記念日に合わせて大規模な式典が開かれる予定です。ロシアは、北方四島の領有は第2次世界大戦の結果だとして、四島の帰属の確認を求める日本をけん制しており、今回の記念日の制定も、こうした自国の立場を強化するねらいがあるものとみられます。