朝鮮半島は戦闘機の墓場?(上)

 先月17日の本紙報道によると、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が今年5月に訪中した際、最新鋭戦闘機などの軍事支援を求めたものの、拒否されたという。

 金総書記の訪問目的が、最新鋭戦闘機の獲得にあったことが明らかになったことで、その背景に注目が集まっている。金総書記が中国に供与を求めたのは、中国軍が最近実戦配備した「殲10」戦闘機だったという。

 金総書記が食糧ではなく、戦闘機を欲しがったのは、北朝鮮空軍があまりにひどい状況だからだ。消息筋によると、最近10年間で訓練飛行中に墜落した北朝鮮軍の戦闘機は44機だという。

 北朝鮮で戦闘機事故が急増したのは、機体が老朽化している上、外貨不足で部品を円滑に調達できず、まともな整備ができなかったためだ。このほか、燃料難で飛行訓練時間が減り、操縦士によるミスも増えた。

 北朝鮮は過去10年間にわたり、韓国の左派政権による「太陽政策」で多額の資金を得た。しかし、核開発やミサイルにばかり資金をつぎ込んだ結果、空軍力は相対的に弱体化した。北朝鮮が急に戦闘機を調達したがる背景には、哨戒艦「天安」沈没事件がある。

 北朝鮮側は、もし韓国との間で局地戦が起きれば、韓米連合軍の圧倒的優勢で打つ手がなくなるとの認識を持っている。金総書記は戦闘が拡大すれば、平壌の安全も保障できないと判断したとされる。つまり、金総書記の訪中は、空腹に苦しむ住民のためではなく、自分の身辺を脅かされたからにほかならない。

 北朝鮮空軍は現在、防空、特殊部隊輸送、戦略爆撃、地上軍作戦支援という四つの任務を持つ。保有機体はジェット機が800機、ヘリコプターが320機で、兵力は8万5000人だ。問題は戦闘機、ヘリコプター、輸送機などの装備が1950-60年代に製造された旧ソ連製、中国製の機種だということだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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