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金賢姫元工作員「疲れた」3泊4日終え帰国

拉致被害者の家族らと記念写真に納まる金賢姫元工作員(前列左から3人目)(政府拉致問題対策本部提供)
拉致被害者の家族らと記念写真に納まる金賢姫元工作員(前列左から3人目)(政府拉致問題対策本部提供)
Photo By 提供写真

 1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯で、20日から来日していた金賢姫元北朝鮮工作員(48)は23日午後、羽田空港から政府チャーター機で韓国に帰国した。政府は特例で入国させた上、ヘリコプターの遊覧飛行をサービスするなど厚遇で迎えたが、拉致被害者の消息につながる新情報は得られなかった。元工作員は3泊4日の日本訪問を終え、「疲れた」とこぼしたという。

 政府チャーター機で来日し、長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘に滞在。東京都内へ向かう途中にヘリで移動した際には39分間遊覧飛行するなどVIP待遇で4日間を過ごした金元工作員。しかし、23日の日本テレビのインタビューでは「軽井沢は景色もいいのに庭にも出られず、監禁された状態でした。富士山は霧で見られず残念でした」と話した。

 23日午後2時55分、滞在していた東京都千代田区のホテルを車で出発。同3時半、羽田空港から帰国した。関係者によると、チャーター機に乗り込む前には「疲れた」とこぼし、顔に疲労感をにじませていたという。

 ホテルではルームサービスで食事を取り、拉致被害者家族らと面会したほか、日本テレビやNHKのインタビューを受けた。元工作員が滞在していた階はエレベーターホールと廊下の間を屏風(びょうぶ)で仕切り、私服警察官が関係者や宿泊客以外を入れないよう警備する厳戒態勢だった。

 今回の来日は、元工作員が「(拉致被害者の横田)めぐみさんと会ったことがある」と証言したため、めぐみさんの両親が直接話を聞くことを希望し、中井洽拉致問題担当相が主導。元工作員は爆破事件で死刑判決が確定(その後特赦で釈放)しており、入管難民法上の入国拒否対象者だが、法相が特例で入国を認めた。爆破工作の際に日本の偽造旅券を使った容疑についても、警察当局が事情聴取を見送った。

 テロを懸念する韓国の求めに応じ滞在日程は非公開とし、帰国後、政府の拉致問題対策本部が家族と面会した際の音声の入っていない映像と写真を公開。音声がない理由について、同本部は「話の内容が機微に触れるため」と説明した。

 元工作員は、面会したどの家族にも「絶対生きています」と話しかけたが、具体的な根拠は示さず、関係者が期待した新情報はなかった。

 来日の成果を強調する政府に対し、野党などからは「パフォーマンス」との非難の声が上がっており、30日召集の臨時国会などでやり玉に挙がるのは必至だ。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年07月24日 ]

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