哨戒艦沈没:ARF議長声明、北よる攻撃と明記されず

 ベトナム・ハノイで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)が、閉幕翌日の24日夜に議長声明を発表した。韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件をめぐる韓米と中朝の神経戦で、文言の調整に難航したからだ。同フォーラムには韓国と北朝鮮のほか、米国、中国、日本、ロシアなど27カ国の外相が出席した。

 議長声明は、韓国海軍哨戒艦に対する攻撃を糾弾しながらも、攻撃の主体である北朝鮮に対する名指しを避け、国連安全保障理事会の議長声明を支持するという形にとどまった。

 議長声明は、「攻撃を受けた韓国海軍哨戒艦の沈没に深い憂慮の念」「国連安保理議長声明に対する支持」を表明した。哨戒艦は「

攻撃」により沈没したとしながらも、これを攻撃した北朝鮮を糾弾するということは、北朝鮮の反発により、内容に含められなかった。安保理の議長声明の支持も、哨戒艦の沈没問題を平和的な手段で解決すべきという点を強調するにとどまった。

 韓国の立場からすれば、北朝鮮が攻撃の主体として明記されなかったこと、北朝鮮の立場からすれば、韓国海軍哨戒艦の沈没が攻撃によるものだということが盛り込まれた点が、不満な部分と言えよう。政府高官は、「国連安保理の議長声明は理事国の全会一致で採択されたが、ARF議長声明は、参加国の意見を反映する水準で決定された」と説明した。ARF議長声明は北朝鮮の核問題と関連し、「安保理決議の重要性を強調した」という内容が盛り込まれた。米国は同フォーラムで、北朝鮮による核実験に対する制裁内容を盛り込んだ国連決議第1874号の徹底した履行を加盟国に強調した。米国は北朝鮮の核問題に関する国連決議の履行を通じて、哨戒艦沈没事件をめぐる対北朝鮮制裁の効果を高めるのが狙いだ。

ハノイ=鄭佑相(チョン・ウサン)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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