添田町議会は20日開いた臨時会で、山本文男町長(84)の辞職願について、8対4(浦野信義議長を除く)の賛成多数で同意し、同日付での辞職が決まった。ただし、反対した2議員が審議で「この期に及んでの辞職には納得できない」「住民投票の審判を受けるのが正しい方法だ」などと意見を述べた。
審議では、岩本泰三郎議員が「町長はリコール(解職請求)の運動が始まった時、『町を二分する』として、(後援会などが)署名に反対するなど町政を混乱させた。その時に辞職していれば何ら問題はなかった」と反対意見を陳述。竹田善浩議員も「何度となく辞職の機会はあったのに、なぜ今辞職するのか。『民意を問う』と言った以上、堂々と住民投票を受けるべきだった」と反対した。
辞職に伴う町長への退職金は、町が加入する県市町村職員退職組合が支払う。だが、同組合は「山本氏は起訴・公判中のため、支払いは差し止めている状態」と説明。金額は月給(添田町長は89万6000円)に年5・1の支給率を掛け合わせた額だが、禁固以上の有罪判決が出た場合は支払われないという。【林田雅浩】
〔筑豊版〕
毎日新聞 2010年7月21日 地方版