ライティングとは


項目1:文章の基本(文章の禁則)          項目2:心をつかむ文章
項目3:伝えるテクニック                項目4:「性格別」メッセージの伝え方

「自分の想いを上手に文章で伝えられたら……」こう思うことはありませんか?

でも、「文章で気持ちを表すのは難しい」「想いはあっても書く時間がない」という方が多いのではないでしょうか?

あなたの熱い想いを引き出し、「想いを感動の物語にすること」で読んで心に響く文章、伝わる文章に仕上げられるのです……

利用満足度で選ばれてます。「ESET Smart Security V4.0」
利用満足度で選ばれてます。「ESET Smart Security V4.0」


ネット上の文章ではほとんど守られていませんが、文章には守らなければいけないルールがあります。
 

改行後の字下げ改行したら次の行は、一文字空白を入れて書き始めましょう。
書くイメージ
●間違った例
うなりを上げて振り下ろされる豪腕。
それを少年は難なく見切り、紙一重の間をおいて避ける。
吹き過ぎていく烈風に顔を歪めながらも、薄い笑みは張り付いたままだった。

●正しい例
 うなりを上げて振り下ろされる豪腕。
それを少年は難なく見切り、紙一重の間をおいて避ける。
吹き過ぎていく烈風に顔を歪めながらも、薄い笑みは張り付いたままだった。


三点リーダーとダッシュ
 三点リーダ(…)とダッシュ(―)は二文字分を使って書きましょう。1文字文だけではダメです。

●間違った例
「まったく、やってられないぜ…」
 炎上する残骸―オレの愛車を見ながら呟いた。
 
●正しい例
「まったく、やってられないぜ……」
 炎上する残骸――オレの愛車を見ながら呟いた。


閉じカッコ直前に句読点を置かないカッコが閉じられる前に句読点を置いてはいけません。

●間違った例
「それなら、しかたないか。」
(後で、また来よう。)

●正しい例
「それなら、しかたないか」
(後で、また来よう)


句読点や!、?、音引き(ー)が行頭に来ないようにする。これらの記号を行頭に持ってきてはいけません。 

●間違った例
「? いやー、さすがに感心しました。さすがは田中さんですね」
「すばらしいアイディアですね! さっそく採用させていただきます」
「朝はパンを食べる主義でね。モーニングセットで頼む」

●正しい例
「いやー、さすがに感心しました。さすがは田中さんですね」
「すばらしいアイディアですね! さっそく採用させていただきます」
「朝はパンを食べる主義でね。モーニングセットで頼む」


「言葉の統一」 
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作中の地の文や、まとまりのあるセリフの中で、同じ意味の言葉を使う場合、言葉の統一をしましょう。
単語を複数の漢字やひらがなで表現したり、漢数字と算用数字を混用することを避けるのです。

●例1
× あの店のトンカツ定食は美味かった。ついでに、ソバも旨かった。
× あの店のトンカツ定食は美味かった。ついでに、ソバもうまかった。
○ あの店のトンカツ定食は美味かった。ついでに、ソバも美味かった。

この文章では『うまかった』という言葉が統一されておらず、チグハグな印象を与えます。
最初に『美味かった』という漢字表現を使ったら、その後に続く『うまい』も『美味い』に統一しましょう。

●例2
× 「この椅子はインテリアとしての価値も高いんだ。お父さんのイスを見る目は確かだぞ」
〇 「この椅子はインテリアとしての価値も高いんだ。お父さんの椅子を見る目は確かだぞ」

この文章も、『椅子』という言葉が、最初は漢字で書かれているのに、次は意味もなくカタカナになってしまっています。これでは読者は違和感を感じてしまうので、この場合も最初に出てきた表現である『椅子』に統一しましょう。

ただし、なにかを強調したり、特定の効果を狙って、意図的に表現を変えるのはOKです。
例えば、作中で、『村』という言葉を使ったとしましょう。その後、「道徳や公共性を過剰に押し付け、その基準に外れた者を排除する彼らの理想とする社会は、まるで、かつての『ムラ』社会そのものだ」というように『ムラ』という言葉を強調する目的で表現を変えるのは、一つの技巧となります。

●例3
× 3時に駅前で彼女と待ち合わせしていたのだが、到着したのは四時だった。
○ 3時に駅前で彼女と待ち合わせしていたのだが、到着したのは4時だった。

漢数字と算用数字を混ぜて使うと、統一性がなくなります。
数字を使う場合も、漢数字と算用数字、どちかに記述を合わせましょう。
また、縦書きでは漢数字を、横書きでは算用数字を使うのが一般的です。
ネット上に小説を発表するときは、横書きであるため算用数字の方が望ましいですが、新人賞などに応募する
原稿文章は、漢数字で統一しましょう。

だだし、この法則には例外があります。
固有名詞に数字が付く場合は漢数字を使うのが原則です。

●例外
 1914年、サラエボ事件を契機に第一次世界大戦が始まった。
 
この文章では、算用数字と漢数字が混用されていますが、『第一次世界大戦』は固有名詞であるため、これで正解となります。


「てにをは」の使い方
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「てにをは」とは、助詞の古い呼び名です。
昔、漢文を読む際、漢字の周囲に点を打ち、その位置で読み方を示す方法があり、左下から順に四隅をテニヲハとあてたことに由来します。元来は、助詞だけでなく、助動詞、接尾語など、補助的な働きをするものの総称でした。

明治の辞書・言海は語法指南(文法解説)のページに品詞名として掲げ、本文で「行きて見る」「馬に乗る」「花を見る」「風は吹く」と例を挙げています。

要するに、「は」「を」「が」「も」「に」など、語句と他の語句との関係を示したり、文章に一定の意味を加えたりする文字が、「てにをは」と呼ばれます。

「てにをは」の使い方を誤ると、文章のつじつまが合わなくなったり、ニュアンスが異なってくるので要注意です。

●例
「彼が帰ってきたら、教えてください」
「彼も帰ってきたら、教えてください」

 上の文では、彼一人が発言者の用のある対象です。
 が、下の文では、彼だけでなく他の人にも用があるというニュアンスが生まれます。
 この程度の「てにをは」の使い分けなら、誰でも無意識のうちに正確にこなしているでしょう。

 ただ、「てにをは」の中で、使い分けが難しいのが「が」と「は」です。
 ここでは、この二つに絞って解説します。

「が」は好きなこと、能力、希望などに使います。また「は」より古い情報に使います。
「は」は、新しい情報に使います。「が」より主語を目立たせることができ、比較したり区別したりする場合に使います。

●例
 私は本を読むことが好きです。
 私は本を読むことは好きです。
 上の例文を比較してみましょう。
「本を読むことは好きです」と書いた場合、複数ある好きなモノの1つとして好きだというニュアンスになります。
「が」を使った場合の方が、好きだという感情が強く伝わります。

●例2
 私は一冊の本を30分で速読することができます。
 私は一冊の本を30分で本を速読することはできます。

 「は」を使った場合、速読することはできるが、他の何かができない。
 あるいは、本を30分以下の短時間で速読することはできないような印象を与えます。
 「が」を使った文章に比べて、自信が無いような感じになります。

●例3
 彼が会社にやってきた。
 彼は会社にやってきた。

 「は」を使った場合は、彼がたったいま会社にやってきたような意味になります。
 一方、「が」を使った場合は、彼が会社にやってきたのは、少し前のような意味になります。


「同じ音を重ねない」
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字面では問題が無くても、読むとなんだか引っかかるという文章があります。その原因の1つが、同じ音を重ねているコトです。

●例
「学校に行ってから、言うよ」

 この文章に違和感を感じませんか?
 「行って」「言う」という同じ音を重ねていると、引っかかりを覚えます。
 もし、同じ音が重なりそうになったら、別の言葉に書き換えてみましょう。

●改善例
「学校に行ってから、話すよ」
「学校に着いてから、言うよ」
「学校に到着してから、話すよ」

 同じ音の重なりを見つけるためには音読するのが一番です。
 声に出して読んでみて、違和感を感じる部分を探してみましょう。

●良くある音の重なりと言い換え例
× 高山さんの私用の自転車を使用したい。
○ 高山さんの自転車を使用したい。

× まだ試用期間中の新薬を使用する。
○ まだ試用期間中の新薬を服用する。


「!と?の使い方」 
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言葉を強調したい時には「!」(エクスクラメーションマーク)、疑問を提示したい時には「?」(クエスチョンマーク)が使えます。

これらの記号は、会話や主観が入った地の文に活用されます。

「これから、遊びにいこう!」
「これから、遊べるかい?」
 
 昨日まであった城が消滅している!
 帰りに道に見たときは確かにあったはずなのに?

 などという風に使用されますね。
 気軽に使える記号なのですが、こられにも正しい使い方というのがあります。例えば、

「はじめまして!!!!」
「何のこと?????」

など、たくさんの「!」や「?」を重ねて使う人がいます。
数が多いほど、驚きや疑問の感情が良く伝わると思われてるのかもしれませんが、読み手からすると、これは鬱陶しいだけです。

無意味な上に、文章が安っぽく見えてしまうので、「!」や「?」は語尾に1つだけ付けるようにしましょう。

 また、「!」や「?」の後には、一マス空けるというルールがあります。

●例
× 「早く駅前に来てくれ!間に合わなくなる」
○ 「早く駅前に来てくれ! 間に合わなくなる」

 だだし、閉じカッコの直前に来た場合は、例外です。1マス空ける必要はありません。

「早く駅前に来てくれ!」


「二重表現に注意」
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二重表現とはセンテンスに新しい意味を追加せず、元の意味を繰り返している語句です。

「上に上がる」「下に下がる」「普段の平熱」「馬から落馬」「国の建国」などといった文章が二重表現に当たります。
「上がる」というのは、上に行くことに決まっているので、「上に上がる」という言い方はしません。
落馬とは馬から落ちるコトを言うので、「馬から落馬」という言い方は変です。

二重表現は不自然かつ意味のない文なので、使ってはいけないのです。

文章を書く際、知らず知らずに使ってしまう危険が高いのがこの二重表現です。
プロの作家やライターでも、ついうっかり使ってしまって校正で修正されることが、しばしばあるようですね。
以下、二重表現と、修正例をいくつか上げます。

× 夏山の登山をやります。
○ 夏の登山をやります。

× 一緒に協力する。
○ 協力する。

× まず、第1に。
○ 第1に。

× 補足説明を追加する。
○ 補足説明する。

× はっきりと、明言する。
○ 明言する。

× 最終結論。
○ 結論。

× 最後の結末。
○ 結末。

 一見、どこが重複なの? と思えるモノもありませんでしたか?
 文章を書き上げた際は、二重表現になっていないか良く注意して見直しましょう。


『の』の連続をさける
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●例
 私の姉の好きな本のタイトルは『罪と罰』だ。
 
 上の文章では『の』が3連続で続いてしまっています。
 こういった文章は、稚拙でゴチャゴチャした印象を読む人に与えます。

『の』は2つまでならたいした力を発揮しませんが、これが3体そろって合体したとき、悪文という恐るべき魔物へと変貌します。

見直してこういった表現を見つけたら、かならず息の根を止めてください。
では、この例文を直してみるとしましょう。

●改善例1
 姉の好きな本のタイトルは『罪と罰』だ。

●改善例2
 姉の好きな本は『罪と罰』だ。

はい、これだけでOKです。
『私』『タイトル』といった、いらない修飾語を消して『の』を減らしました。
このような書かなくてもわかる不必要な言葉は削ってしまって問題ありません。
こうすることで、すっきりとしたわかりやすい文章になります。

(笑)や(汗)、(爆)、顔文字などの記号は使わない

インターネット上のテキストでは、書き手の感情を表すために(笑)、(汗)、(爆)や顔文字などの記号を使ったモノが溢れています。かくいう私も、文章をおもしろくするための手段として、これらの記号を使っています。

しかし、小説の文章で、(笑)や顔文字などの記号を使うのは御法度です!
  
登場人物の感情を表現するのなら、これらの記号に頼るのではなく、キチンとあなたの言葉で描写してください。

●例
× そりゃあ失敗するわけだよな(笑)。
○ そりゃあ失敗するわけだよな。俺は笑いを噛み殺すのに必死だった。

× 「実はさ、彼氏にふられちゃったんだ(涙)」
○ 「実はさ、彼氏にふられちゃったんだ」
   気丈を装っていたが、私の声はわずかに震えていた。

× あの娘、かわいいなぁ、 (*´Д`)ハァハァ。
○ あの娘、かわいいなぁ。ボンヤリと彼女を見つめる俺の脳内で、バラ色の妄想が花咲く。

登場人物の感情、心の機微は、(笑)や顔文字などの安直な記号では決して表現できません。
これらの記号を使った時点で、登場人物の感情を描くことを放棄したと思われ、読者は確実に去っていきます。
どうしても絵という視覚に頼った表現をしたければ、小説ではなく漫画を描くことをオススメします。


ただし、ごく一部のプロの作品では、(笑)や顔文字が使われているモノもあります。
しかし、これは例外です。
例外が存在するからと言って、安易にこういった記号を使うのは自殺行為になりますので注意しましょう。
初心者のうちはまず基本に忠実であることが大切です。


「……」を多用しない
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文章に余韻や含みを持たせるため語尾に「……」という記号、三点リーダーを使うコトがあります。
これを使うことは悪くないのですが、多用すると鬱陶しい上、テンポが悪くなり、作者が自分の文章に自己陶酔しているように見えてしまいます。

●悪い例
 俺は彼女のことを、ボンヤリと見つめていた……
 胸元に大きなリボンの付いた赤いケープに、白いスカート……
 すらりと伸びた足は、タイトな黒いニーソックスで覆われている。
 腰まで届く長い亜麻色の髪は、丹念にキューティクルケアされて輝き、白いリボンのアクセントに添えられていた……
 人目を惹く強烈な美しさはないが、野原を飛び回る蝶にも似た可憐さがある……
 
●改善例
 俺は彼女のことを、ボンヤリと見つめていた……
 胸元に大きなリボンの付いた赤いケープに、白いスカート。すらりと伸びた足は、タイトな黒いニーソックスで覆われている。
 腰まで届く長い亜麻色の髪は、丹念にキューティクルケアされて輝き、白いリボンのアクセントに添えられていた。
 人目を惹く強烈な美しさはないが、野原を飛び回る蝶にも似た可憐さがある。
 
 「……」は、文章に余韻や含みを持たせたい、ここぞという場面で使うようにしてください。
 多用すると逆効果となり、文章が読みづらくなります。


「改行を活用する」
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文章を読むことは基本的に、めんどくさくて疲れることです。
だから、少しでも読みやすいように工夫しないと人は読んでくれません(涙)。 

特に改行が少なく、巨大な文字の塊がデンっと視界に飛び込んでくるようだと、それだけで読書意欲が損なわれます。

●改行無しの文章例
魔法の修得に必要な学問は多岐にわたる。古代文字にも精通しなければならないし、その文字が伝播した由来や歴史まで学ばなければならない。読み書きにいたっては言うに及ばず、薬品等の分量計算や、方程式から結果予測するための数学的知識、演算能力も必要とされる。世界に干渉する魔法は、知の総合力で勝負する分野だ。単に呪文――世界の法則と意識を接続するためのアクセスコードを覚えただけでは、魔法使いにはなれない。

●改行を活用した文章例
魔法の修得に必要な学問は多岐にわたる。
古代文字にも精通しなければならないし、その文字が伝播した由来や歴史まで学ばなければならない。読み書きにいたっては言うに及ばず、薬品等の分量計算や、方程式から結果予測するための数学的知識、演算能力も必要とされる。
世界に干渉する魔法は、知の総合力で勝負する分野だ。
単に呪文――世界の法則と意識を接続するためのアクセスコードを覚えただけでは、魔法使いにはなれない。

どうでしょうか?
適度に改行を入れた方が、あきらかに読みやすいですよね。
 
文章がギッシリ詰まりすぎていると、人は読みたくなくなるのです。
  
ただし、改行は、なんでもかんでも多用すれば良いわけではありません。
ページ内の空白が多くなりすぎると、中身がスカスカになり、
文章を水増ししているような悪い印象を受けます。
また、所構わず改行してしまうと、逆に読みづらくなります。
 
文がたくさんになったから適当に分ける、という改行の使い方をしてはいけないのです。

改行は段落ごとに行うようにしましょう。
段落とは、まとまった1つの内容を示す文章の集まりです。
段落を分ける必要が無ければ分けてはいけませんし、必要が有れば分けなければいけません。
例えば、『彼が怒った』という文章の後に、『怒った』とは関係のない文章が続くと、読者を混乱させてしまう原因になります。

●悪い例 
彼は腕を振り上げ激しく怒った。普段は温厚な顔が、真っ赤になっている。その時、玄関のチャイムが鳴って、カツ丼の出前がやってきた。

●悪い例
彼は腕を振り上げ激しく怒った。
普段は温厚な顔が、真っ赤になっている。
その時、玄関のチャイムが鳴って、カツ丼の出前がやってきた。

●悪い例
彼は腕を振り上げ激しく怒った。
普段は温厚な顔が、真っ赤になっている。その時、玄関のチャイムが鳴って、カツ丼の出前がやってきた。

●正しい例
彼は腕を振り上げ激しく怒った。普段は温厚な顔が、真っ赤になっている。
その時、玄関のチャイムが鳴って、カツ丼の出前がやってきた。
 
どうでしょうか? 正しい例の方が、他のどれよりも読みやすくありませんか?
改行は段落ごとに行うようにしましょう。

また、改行は目立たせたい文章を引き立てることにも活用できます。
最初に一番言いたい文章を独立させて1つの段落とし、
その後ろに、補足となる段落を用意するのです。

●例
世界に干渉する魔法は、知の総合力で勝負する分野だ。単に呪文――世界の法則と意識を接続するためのアクセスコードを覚えただけでは、魔法使いにはなれない。

●改行活用例
世界に干渉する魔法は、知の総合力で勝負する分野だ。
単に呪文――世界の法則と意識を接続するためのアクセスコードを覚えただけでは、魔法使いにはなれない。

これは、「世界に干渉する魔法は、知の総合力で勝負する分野だ」という文章を引き立てるための改行です。
読者に伝えたい重要な部分を目立たせることができます。


「あいまいな文章に気を付ける」
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日本語は構造的にあいまいな言語です。
この点に注意しないと、作者の意図したことが読者に正確に伝わらず、混乱させたり、誤解を生じさせてしまう要因になるので要注意です。

●例
 サーファーの兄は消防士。

 この例文の意味をすんなり理解できるでしょか?
 おそらく、作者の意図を誤解してしまう人が大勢出てくると思います。
 この文章は、2通りの意味に解釈できるのです。
 
 1・兄は消防士で、サーファーである。
 2・サーファーの弟、もしくは妹の兄は消防士である。

 どちらの意味が正しいかは、この文章からでは判断できません。
 文章を直してきちんと説明する必要があります。


●例2
斎藤くんは、水無月さんのようにうまく文章が書けない。
 
この例文も2通りの解釈ができるあいまいな文章です。

1・斎藤くんは、水無月さんと同様で、うまく文章が書けない。
2・斎藤くんは、水無月さんほど、うまく文章が書けない。

このように否定文は、別の意味に取られることがあるので要注意です。

この他にも、例えば「全生徒が不合格だ」を「全生徒が合格していない」と書くと、「合格していない生徒もいる」という部分否定と解釈する人もいます。
実際には全生徒が不合格なのに、一部もしくは大部分が合格しているかのような誤解を与えてしまうのです。
 
日本語はあいまいな言葉であるということを念頭に置いて文章を書きましょう。
そうでないと、知らず知らずに意味不明な文章を作って読者に混乱を与えてしまいかねません。

○補足例
「猫の缶詰めあります」
「猫用の缶詰」という意味と、「猫を材料にした缶詰」のどちらの意味にも取れます。

「ここで犬の糞をしないでください」
人間が犬のウンチをすることはできませんよね。

「農薬を使ったリンゴ」
リンゴが農薬を使うのでしょうか? 

当サイト内の「文章力をつけるために?」で、わかりやすい文章の書き方を紹介していますので、興味のある方は、こちらも参考にしてください。

はじめに
ライトノベルは漫画やノベルゲームと違って、物語を構成する情報が文章だけしかありません。
読者は文章だけを頼りに、筆者がつむぎ出した幻想世界を頭の中に再構築します。

もし、この唯一の媒介である文章が下手だったら、どうでしょう?
そうなったら、どんなにすばらしいストーリーやキャラクターを生み出しても無意味です。
読者は誤字脱字があるたびに引っかかり、意味もなく長いセンテンスに閉口し、陳腐な表現に拳を振るわせ、おしまいには『オレの貴重な時間を奪いやがって!』と怒りだすかもしれません(その前に、読むのをやめるでしょうけど……)。

日本の国語教育は、小説を作るための文章技術を教えることを目的にはしていません。
そのため、小中高あわせて国語の成績で5を取っていても、プロ作家の文章術にはまるで及ばないのです。

学校の勉強だけで得た知識で小説を書こうとすると、絶対に失敗します。

ですが、泣き言を言っていても仕方ありません。
ここで、文章力を鍛えるための方法をお教えしましょう。


「効果的な文章上達法」
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一般的に良く言われる文章上達法は

 『文章力は読書量に比例する』
 『書けば書くほど上手くなる』

ということです。

これは確かにその通り、一片の疑いもない真実なのですが、コレをそのまま鵜呑みにすると手痛いカウンターパンチをもらいます。

実例を上げますが、私の友人にライトノベルが死ぬほど好きな人間がいました。 
彼はライトノベルをどっさり買い込んできて、貪るように読んでおり、ライトノベルに関しては何時間でも熱く語れるような男でした。
でも、自分でファンタジー小説を書くとなるとまるっきりダメ。

一度書いて「文章が下手だね」と仲間に言われたが最後、彼は自信を完全に喪失し、二度と小説というリングに立てない身体になってしまいました。
なぜこんなことになったのでしょうか? 彼には文章のセンスが欠如していたのでしょうか?そんなことはありません。

ただ本を読んでいるだけだったから、読んだ内容を知識として吸収し、活用するすべを知らなかったから、起きた悲劇にすぎないと私は解釈します。

本はただ読めばいいというわけではないのです。
読んだ。ああ、おもしろかった。で終わってはダメなのです!
また、ただ書けば書くほど文章が上手くなるなんてことも絶対ありません。

勉強して得た知識を作品の中で応用し、試行錯誤を繰り返さなければ、いくら書いたって無意味です。
  
では文章力を高めるための勉強の仕方とは、一体何でしょうか?

それは、ただ小説を読んでストーリーを楽しむのではなく、その本を書いた作家の技術を盗むように目を光らせることです!

市販されている本は、それでご飯を食べているプロが考えに考えて作った作品ですから、素人には及びもつかない高度な文章テクニックが濃縮されています。

それを盗みましょう。そして、自分の血肉に変えましょう。
ストーリーやキャラクターをパクれば盗作だと騒がれるかも知れませんが、表現をマネしたぐらいで訴えられることなどありません。

プロの技はどんどんマネして、どんどん応用しましょう。では、どのようにすれば効率よく作家の技術を吸収できるのか?

「三人の作家を師匠と定めて、彼らの文章を模写して勉強する」という手法の有効性は、他の作家も述べています。
1人の作家の作品をマネすることは、あなたをゴーストライターにしてしまう危険があります。

マンガの世界でも、勉強のためにプロの作品を模写し続けたら、その先生そっくりの絵しか描けなくなってしたという事例が多々あります。
つまりオリジナリティ、独自色といったものを潰しかねない......
  
でも三人の作家から同時に学べば、それぞれの作家の長所を取り込むことができ、自分独自の文体を築く基礎を作ることができるのです。

模写するのは大変、時間がない、根気が続かないと言う方は、次のことをだけでもしてください。
 
1:
 本を読んでいて、わからない言葉や言い回しが出てきたら辞書で調べる。
 そして、メモ帳に書き写したり、パソコンに打ち込んだりして保存しておく。

2:
 いいなぁ。と思うレトリック(比喩)や表現、描写がでてきたら、
 同じく抜き出して書き写しておく。

 これはうまい。これは知らなかったという語彙や表現を書いて覚えるのです。
 書くというアウトプット作業を脳にさせることによって、知識を定着させやすくできます。
 また、パソコンに語彙や表現集を作って保存しておけば、小説をパソコンで書くときに参考にしやすいです。

 語彙と表現力は小説家の財産です。
 これが脳内にインプットされていないと、どんなすばらしいアイディアを持っていても宝の持ち腐れに終わります。

 最近では、知識より創造力や思考力の方が大切だという風潮が、世の中に蔓延してきていますがこれは間違いです。
 知識あっての知性です。

 知識がなければ、考えることがまずできません。
 考えることができなければ、そこから独創的な発想など生まれるわけがないのです。
 
 一例をあげてみましょう。

●例1
 森の中に馬の走る音が響く。

●例2
 大地を叩く馬蹄の音が、森の静寂を破る。


 例1の方は、誰でも書ける文章でしょうが、
 例2の方は、ちょっと高度です。

 馬の足の先を馬蹄と呼ぶ知識がなかったら、馬蹄という表現は当然、浮かんできません。

関連情報・第4研究室「語彙はあるのに文章が書けません」 


「比喩のパターンを覚えて表現力を大幅にアップしよう!」
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筆者の表現力があるかないかで、小説のおもしろさは格段に変わってきます。

陳腐なストーリーと平凡なキャラクターで組まれた話しでも、筆者の表現力が豊かだと、ある程度おもしろく読めます。

脚本家は三流でも、役者が大スターで、最新のCG技術をふんだんに盛り込んだ映画がウケるのと同じ理屈です。
さて、この表現力とは語彙もさることながら、比喩をいかに巧みに使えるかに関わってきます。
比喩とは、何かに例えて物事を表現することです。
比喩がいかに強烈な力を持つか、例をあげてみましょう。
 
●比喩を使わない文章例
 満開の桜の木。
 舞い散る桜の花弁に、あたりは満たされていた。 
 
●比喩を使った文章例
爛漫と咲き誇る桜の花。
そよ風が梢を揺らすたびに、花弁は飛沫を散らすかのごとく宙を舞う。

上が比喩を使わないバージョン、下が比喩を使ったバージョン。
どちらが、より読者に訴えかける映像を伴っているかは一目瞭然でしょう。
文章が上手くなりたい人は、いろいろな比喩のパターンを研究してみることをオススメします。
あまりに陳腐な比喩を使うことは逆効果ですが、より多くの比喩のパターンを知っておくことが自分独自の表現を編み出す下地になります。

 例えば
 
 まるで腫れ物に触れるかのように、浩二はやんわりと言葉を継ぐ。
 
 夜の校門は、死んだ貝のように閉じられていた。
 細波のような不安が心を騒がせる。

 心の中に相手の気持ちを過度に尊重する病原菌を何百滴も注入することは、有害だと思っています。

 左の豪腕が疾風と化して空気を切り裂き、凶音を轟かせる。

 過度の「やさしさ」という地雷を抱えた問題児。

 少女の手の中で、凶暴な鋼鉄の獣が火を噴いた。
 小気味よい反動が肩を叩くと同時に、暴漢の頭がスイカのように爆ぜ割れる。  

 読書感想文なんてものは、三流評論家養成ギプスのようなもので、
 口だけ上手い嫌みな人間を作るだけである。文部省はそんな人間を作りたがっているのだ。

 学校に行くための、上り下り上り下り。
 それはまるで人生のような波乱を思わせ、行く者の心と足をげんなりとさせるのである。

 友情とは信頼という大地に立つ勇気という樹に咲く、一輪の大花。

 といった比喩表現を本の中から抽出して、書きまくり覚えまくりましょう。


「作中に何度も同じ比喩、おなじ表現を使わないように注意しよう」
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作品の質を高める文章技術の1つとして、同じ表現を作中に二度使わないというモノがあります。
 
重複した表現を使ってしまうことは、自分には力量がありませんと公言してしまうようなモノです。
注意して、そのような事がないように努めると同時に、同じ事柄を表す様々な表現方法を身につけましょう。
例えば『怒る』という人間の感情を表す表現を、あなたはいくつ思いつきますか?
20個以下では落第です。

怒りは、人間の基本的な感情なので、長編小説の場合だと必然的に登場人物が怒るシーンが何度もでてくると思います。そんな時に対応できません。
では例として、『怒り』を表す言葉を並べてみます。

怒る。 憤る。 激怒する。 赫怒する。 激昂する。 憤怒する。 憤激する。 憤慨する。 憤死する。 憤然と席を立つ。 憤懣やるかたない。 怒髪天を突く。 怒鳴る。 声を荒あげる。 目尻を吊り上げる。 眦を決する。 柳眉を逆立てる。 顔を紅潮させる。 怒気を漲らせる。 頭に血が上る。 拳を握りしめる。 地団駄を踏む。 顔が赤黒く染まる。 怒りに全身が震える。 怒り心頭に発す。 ティーカップを床に叩きつける。 デスクを叩く。 睨みつける。


『怒り』を表す言葉は、こんなにもたくさんあります。
これに比喩表現を加えれば、怒りを表す文章は工夫次第でいくらでも作れます。
1つの動作や感情を表す方法を、なるべく多く学んでください。


「体言止めの使用には注意を!」
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●例1 歓喜のうなりを上げるエンジン。
●例2 彼のくれた花束。
●例3 紅の残照に沈む銀杏並木。
●例4 夏の陽射しを浴びて銀色に輝く海原。
●例5 凛とした声を響かせる少女。

 ↑これらの文章は、『体言止め』と呼ばれます。
 『体言』とは、国語の教科書風に説明するなら、「自立語で活用しない、文の主語にできるモノ」。
 要するに『名詞や代名詞』のことですね。
 『体言』である名詞や代名詞で『止める』から『体言止め』と呼ばれます。

 この体言止めは歯切れが良く、余韻・余情を生じさせるのに効果的です。

 文章に味わいを持たせることを追求した和歌・俳諧から生じた描写テクニックです。
 描写などに使用すると、場面の美しさをより引き立てることができます。
 ただし、「わー、これは便利な技だぁ!」などと思って、安易に多用してはいけません(汗)。
 体言止めはブツブツと途切れた形になるため、読者に対して、とても投げやりな心証を与えるのですね。
 しかも、過分に余韻・余情を生み出すと、筆者が自分の文章に酔っているような悪い印象も与えます。

 そのため、連続で使用すると、逆に文章の質を落とすことに繋がってしまうのです!

 例えば、
「キミの好きな食べ物は何ですか?」
「ラーメン」
「ラーメンです」

 どちらの言葉遣いに好感を持ちますか?
 「ラーメン」と体言止めで答えた方には、投げやりな感じを受けるでしょう。
 このように体言止めは、メリットとデメリットを併せ持っています。
 そのため多用や連続での使用は避け、余韻を残したい、ここぞという場面に使ってください。

 また、ワザと投げやりな感じを演出するために使うという方法もあります。
 使い方を工夫してみてください。


「5W1Hを意識して書こう」
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 小説を書く際に気を付けなくてはならないのは、登場人物の置かれた状況をいかに読者に伝えるかです。
 説明不足だと、なにがどうなっているのかわからないし、説明が多いと、うざったく感じられます(汗)。
 登場人物の置かれた状況をうまく読者に伝えるのは難しいのですが、1つだけコツがあります。
 それは5W1Hを念頭に置いて書くということです。

 5W1Hとは、英語のWhy、What、Who、Where、Whenのそれぞれの頭文字をとった5Wに、
 Howの1Hを加えたものです。
 簡単に言うと、「誰が」「いつ」「どこで」「なにを」「なぜ」「どうやって」行ったか?
 を明確に相手に伝えましょうね。ということです。
 この5W1Hが不明瞭の場合、意味不明でわかりにくい文章になってしまいます。

 そのため、冒頭や場面転換後のシーンでは、「誰が」「いつ」「どこで」「なにを」「なぜ」「どうやって」行ったか? 
 を、すばやく明確に示す必要があります。

 「意味不明、わけがわからない」と読者から批評される作品は、たいがいこの基本原則に反してしているのが原因です。

Who
誰が

What
何を

When
いつ

Where
どこで

Why
なぜ(どんな目的で)

How
どうやって

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企画書、議事録、挨拶状の作成、日常業務のやりとりなど、今やビジネスマンにとって、文章力は相手に用件を正確に伝えるための必要不可欠なスキルとなりました。

それだけに、今の時代、きちんとした文章が書けて当たり前。伝えたい相手に対し文章で差をつけるには、これまで通りの「普通の文章」ではなく、そのワンランク上を行く「(相手の)心をつかむ文章」が求められる時代となったのです。

この「心をつかむ文章」のことを、私は「エモーショナル・ライティング」と呼んでいます。「心をつかむ文章」というと、心理学を応用した文章テクニックをイメージされる方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそういうものではありません。むしろ、小手先のテクニックでどうこうできるものではなく、原点にあるのは相手に対する思いやりの心なのです。

それでは、「心をつかむ文章(=エモーショナル・ライティング)」とは、いったいどういうものなのか解説していきます。
実際に「心をつかむ文章(=エモーショナル・ライティング)」とはどんなことか、それを成す3つの法則「自分の言葉で書く」「表現方法を変える」「普段書かないことを書く」についてお話ししていきましょう。


1. 「自分の言葉で書く」 ~その“一言”があなたらしさを伝える~

ビジネス文書を作成する場合、世にたくさん出回っているひな型を参考にして書いておけば問題ない、と思っている人も多いのではないでしょうか。

確かに、ひな型通りに書けば、無難なものはできます。
しかし、その文書で相手の心をつかめるかというと、おそらくつかむことはできないでしょう。

たとえば、新年のご挨拶代わりに相手に送る年賀状。ただ単に見慣れた定型文が印刷されたものと、何か一言手書きで書き添えられたものとでは、あなたはどちらがうれしいでしょうか?おそらく、後者の方ではないかと思います。

【あなたらしさを伝える一言】

•「ご無沙汰していますが、お元気ですか?」
•「今度、飲みに行きましょう!」
•「ご活躍ですね」
•「最近出た御社の新商品、家族みんなで愛用しています」

たとえこんな一言でも、書いてあるのとないのでは、読んだときのうれしさが全然違うと思いませんか。

これが「心をつかむ文章(=エモーショナル・ライティング)」の第1法則、「自分の言葉で書く」ということなのです。

確かに、ひな型は便利ですが、それだけに頼っていると、あなたらしさが伝わりませんし、その他大勢から抜け出すこともできません。

最初からすべての文章を自分の言葉で書くのは難しいかもしれませんが、何か一言、自分の言葉で書き加えるくらいなら、できそうな気がしませんか?
メールに「追伸」を入れてみるのもいいでしょう。

たかが一言、されど一言。ぜひ今日から始めてみてください。


2. 「表現方法を変える」 ~伝えたい相手の目線に立つ~

「表現方法を変える」とは、どういうことかというと、同じことを言うのでも、表現方法を変えることによって、相手に与える印象が変わってくるということです。

たとえば、これは有名な例ですが、あなたならAとB、どちらに良い印象を持つでしょうか? どちらの表現の方が、素直に協力しようという気になりますか?

A: トイレを汚さないでください

B: いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます

私はBですが、おそらく私と同様にBと答えた方が多いのではないかと思います。
同じことを言っているのに、なぜBの方が印象がいいのでしょうか? じつは、その原因は目線の違いにあります。

Aは言葉こそ丁寧ではありますが、目線は完全に「上から目線」。自分を中心に考えて(=自分本位)“トイレを汚すな!”と言っているのと同じなわけです。

これに対して、Bは「下から目線」。相手のことを考えた(=相手本位)感謝の気持ちが伝わってきます。

ほかにも、「自分本位」で書くか、「相手本位」で書くかによって、表現の仕方が変わってきます。たとえば、次のような文章です。

A: キャンペーンの応募は4月20日が締め切りです

B: キャンペーンの応募は4月20日まで受け付けております

いかがでしょうか。
「締め切り」と「受け付け」の違いですが、ずいぶん受ける印象が違うと思いませんか。
「締め切り」の方が、主催者の都合が前面に出ていて、少し冷たい感じがするのがおわかりいただけると思います。

このように同じことを書く場合でも、表現方法を変えるだけで印象が変わりますので、意識されるといいでしょう。


3. 「普段書かないことを書く」 ~相手にあなたを印象付ける~

これは、あなたが普段ビジネス文書やビジネスメールであまり書かないことを書いてみましょうということです。

と言われても、具体的に何を書けばいいのか、思いつかない人も多いのではないでしょうか。そこで、一番簡単な方法を2つ紹介しておきたいと思います。

1つは、「相手をほめる」ことです。

•「ステキなネクタイですね」
•「今日の朝礼での話、感動しました」
•「さすが課長ですね。そんなやり方があったとは、思ってもみませんでした」

ただし、このようなことを書くためには、相手に関心を持ち、相手を敬い、相手のことを理解していなければできません。
したがって、相手をほめることによって、「私はあなたに関心を持っていますよ」、「私はあなたのことが好きですよ、尊敬していますよ」、「私はあなたの良さをわかっていますよ」ということを、相手に伝えることができるのです。

つまり、ほめるということは、相手にとっても自分にとっても意義のあることですので、相手のほめられる点を発見したら、ぜひ書いてみるといいでしょう。

そして、2つ目は「相手を気遣う」ことです。

•「季節の変わり目ですので、風邪など召されませぬようお気をつけください」
•「昨日は遅くまでありがとうございました。終電、間に合いましたか?」
このような相手を「気遣う」一言を書くということは、相手に好印象を与えるだけでなく、その一言を考える行為がコミュニケーション力の向上や、さまざまな面で先回りして相手のことを考えられる能力の向上にも繋がります。

こうしたことを口に出して言うのは、照れもあってなかなか難しいものですが、文章ならそれほど抵抗なく書けるのではないでしょうか。

「相手をほめる」「相手を気遣う」一言は、相手の心に響くだけでなく、結果的に相手に「あなた」を印象付けることになるのです。

「心をつかむ」ためには、「心を込める」こと
最後に、もう一度まとめておくと、「心をつかむ文章(=エモーショナル・ライティング)の3つの法則は、以下となります。

1.自分の言葉で書く
2.表現方法を変える
3.普段書かないことを書く

心をつかまれる文章というのは、心のこもった文章です。こちらが心を込めて書くからこそ、相手の心に響くのです。
エモーショナル・ライティングで重要なのは、「どう書くか」ではなく、「何を書くか」。
したがって、その原点には相手に対する思いやりが必要なのです。

相手を思いやる気持ちがあるからこそ、「自分の言葉で一言添えよう」とか、「ここでは『締め切り』という言葉は使わない方がいいかな」とか、「相手のいいところを見つけて書こう」となるのです。

また、ハガキや送り状などに一言添える場合、筆ペンや万年筆を使って手書きで書くと、さらに気持ちが伝わり、好感度がアップしますので、ぜひ試してみてください。

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心をつかむ文章(=エモーショナル・ライティング)で重要なのは、「どう書くか」ではなく「何を書くか」です。

そして、その原点には相手に対する“思いやりの心”が必要なのです。では、“思いやりの心”とは、具体的にはどういうことなのでしょうか......

必ず意識しておきたい6つのポイントについてお話ししていきます。これを意識できるようになれば、書くべきことが湧き出るように見つかり、心をつかむ文章が書けるようになるのです。


●ポイント1. どうすれば、相手に喜んでもらえるのか?

人が喜ぶポイントというのはいくつかありますが、一番わかりやすいのは、第1回でもお話ししたように、やはり「ほめられたとき」です。

じつは、先日ある方から頂戴したハガキに、「ホームページの写真よりも実物の方がステキですね」と書いてあったのを見て、その日1日楽しい気分で過ごすことができました。それくらい、“コトバには力がある”ということです。

別に難しいことはありません。素直に思ったことを書けばいいだけです。
メールやハガキを書く際、ただ用件を書くだけではなく、相手の顔を思い浮かべながら、「何を書けば、喜んでくれるかな~」と考える癖をつけましょう。


●ポイント2. どうすれば、相手の役に立つことができるのか?

相手の役に立つ方法もいろいろあると思いますが、ビジネスシーンで一番役に立つのは有益な情報の提供でしょう。

•相手が探している情報
•相手が欲しがっている情報
•相手のビジネスに役立ちそうな情報
•相手の知らなさそうな情報

こういった情報を、メールの追伸などに書いて送るときっと喜ばれるはずです。

今はインターネットで何でも調べられますし、相手に役立つ情報が見つかったら、次のような一言と一緒に、そのページのURLをメールに貼り付けて送ればいいだけです。

•「この前、探しているとおっしゃっていた商品、おそらくこれじゃないかと思います。
 http://www.~~~~」

•「すでにご存じかもしれませんが、御社のお役に立つと思われる記事を発見しましたので送ります。
 http://www.~~~~」

ビジネスにおいてこれを繰り返すとあなたが“安心して頼れる存在である”ことが相手に伝わり、関係性も深まりますね。


●ポイント3. どうすれば、相手を感動させることができるのか?

相手を感動させる方法は、いろいろあります。たとえば、すぐにメールの返事が返ってきたり、会った翌日にお礼ハガキが届いたりといったことです。「スピード」が感動につながるわけです。

また、送付状やお礼状を手書きで書くことも、相手に感動を与えることができます。
ちなみに、私が最近感動した例でいうと、「名刺を頼んだら、名刺が桐の箱に入っていた」というのがあります。まさか、桐の箱に入っているとは思いもよらなかったので、すごく驚いたのと同時に、感動しました。

ほかにも、こんなことがありました。ある人と仕事の打ち合わせをしていたときのこと。「○○について参考になるサイトがありますので、後ほどそのサイトのURLをメールで送っておきます」と相手の人が言ってくれたので、そのメールを待っていると、届いたメールには、私にとって役に立ちそうなサイトのURLが5つも書いてあったのです。私はてっきり1つだと思っていたので、良い意味で期待を裏切られて感動しました。

このように、人は予想外のことや期待以上のことがあると感動します。感動する出来事は、相手の心に刻み込まれるものなのです。


●ポイント4. どうすれば、相手を楽しい気分にすることができるのか?

相手を楽しい気分にさせる文章とはどんな文章かというと、楽しいことが書いてある文章です。

新聞などで「勇敢な人が溺れている子供を助けた」とか、「パンダの赤ちゃんが産まれた」といった明るいニュースを読んだ途端、自分も明るい気持ちになった経験のある人も多いのではないかと思います。

では、ビジネスシーンではどういうことを書けばいいのかというと、たとえば楽しかったことやうれしかったことです。これらをメールの追伸などで書くのです。

ただし、これには前提条件があります。それは、「相手のおかげで自分が楽しくなれた(うれしくなれた)」ものでなければいけないということです。

•「課長の的確なアドバイスのおかげで、お客様からすごくほめられました。ありがとうございます」

•「先日、○○さんに紹介していただいたパーティーに参加してきました。おかげさまで、すごく楽しかったです。ありがとうございました」

•「○○さまの多大なるご尽力のおかげで、目標を達成することができました。心より感謝申し上げます」

このように「おかげさまで」と書けば、相手も「よかったね。私もうれしいよ」となり、相手のおかげで楽しかった(うれしかった)出来事を、一緒に共有できるのです。


●ポイント5. どうすれば、相手の手間を省いてあげることができるのか?

「だったら先にそれを書いておいてよ!」と思った経験、あなたはありませんか?

たとえば、日程調整をするときに、「来週中でご都合のよい日をいくつか教えてください」とのメールが来たので、「では、○日と×日はいかがですか?」という返事を出したところ、「すいません。あいにく両日とも予定が入っておりまして」となり、二度手間になるといったケースです。
このような場合、最初から「○日と×日はダメ」と書いておいてくれれば、こういうことにはならなかったわけです。

また、普段メールでやり取りしている人から、「では、その資料をFAX(郵送)で送ってください」と言われた際、そのメールにFAX番号(住所)が書かれていなかったために、相手の名刺を探すのに苦労した、という経験のある人も多いのではないでしょうか。

「名刺交換をしているのだから、相手は当然こちらのFAX番号(住所)がわかっているはずだ」と考えるのではなく、「メールにFAX番号(住所)を書いておいてあげれば、相手は名刺を探さなくてもすむのでラクだろう」と考えられるかどうかです。

些細なことだと思うかもしれませんが、こういう細やかな気遣いこそが大切なのです。


●ポイント6. どうすれば、相手に興味を持ってもらえるのか?

自分が書いたメールやビジネス文書は、当然相手も読んでくれているものだと思って書いている人も多いのではないでしょうか。

しかし、現実には読まれない文章もありますし、たとえ読んでもらえたとしても、後回しにされてしまうものも少なくありません。
では、どうすればいいのかということですが、たとえばメールの場合であれば、件名を工夫することです。といっても、奇をてらう必要はなく、ただ具体的に書けばいいだけです。

「こんにちは」「お疲れ様です」といった漠然としたものではなく、「4月24日の打ち合わせの場所について」「○○の見積もり金額の変更について」というように具体的に書けば、見過ごされにくくなります。

また、企画書などの文書の場合は、タイトルのつけ方を工夫することで、相手の興味を引くことができます。たとえば、「新商品のご提案」というタイトルを、「事前リサーチの結果10人中9人が欲しいといった新商品のご提案」とするだけで、興味を引くものになるのです。

当然、相手は読んでくれるものだと考えている人は、ぜひ今日から相手の興味を引く努力をするようにしましょう。

相手を思いやる視点を持ち、あなたらしい手法で表現する
もうおわかりかと思いますが、書く前に必ず意識したい6つのポイントとは、相手に対する“思いやりの心”を持つ=“思いやる視点”を持つことなのです。

相手のことを知っているあなたなら、きっとさまざまな思いが湧き出てくるはずです。

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大切なのは、自分視点ではなく“顧客視点”だと思います......14のテクニックをご紹介していきます......


1.特徴をベネフィット(便益、利点)に言い換える。

読み手が理解してくれると思って 、ただ情報を与えるなんてことはしてはいけません。
例えば、前輪駆動は、自動車の製品の特徴です。

広告で、ただそれだけを言って、読み手が、なぜ前輪駆動が望ましい特徴であるのか知っていると思うのは、ものすごいミスなのです。

その広告では、前輪駆動のベネフィット、つまり安全性、コーナリング性能の向上、ブレーキング能力の向上、燃費のよさなどを説明していかなければならないのです。


2.“私・私たち”視点ではなく、“あなた”視点から書く。

「私たちは、最も耐久力のあるものをつくっています。」なんて決して言ってはいけません。
「この並外れた耐久性で、あなたは大いに利益を得られることでしょう。」と言うべきなのです。


3.信頼性を伝える。

信頼性は、会社の業歴、あなたの会社の規模、顧客数、満足しているお客様の声、会員資格、有力な協会の資格、保証など、そしてそれらの組み合わせで、示すことができます。

見込み客が、あなたから購入してくれないのは、あなたとビジネスすることを不安に感じているからなのです。信頼性を伝えることで、不安を取りのぞくのです。


4.ドラマティック・ライセンスを使う。

あなたは、本当にドラマティックにできるもの以外は、何もごまかすべきではないし、誤って伝えるべきではありません。有名な実例を紹介しましょう。レミントン社の社長が、コマーシャルで話すものです。

「私は、この会社を買ってしまうくらい、このレミントン・シェーバーが好きなんです。」

ばかばかしいですね。ただ、この男は、利口で、抜け目のない、経験豊富なビジネスマンです。そして、間違いなく、彼がレミントン社を買収したのは、たくさんの要素の慎重な分析に基づいているでしょう。

ただ、それにはこの商品の品質も含まれているのです。
つまり、彼の言葉は、少なくとも一部は真実であり、商品品質について、ドラマティックな方法で話しているということです。


5.ストーリーは、売り、事実は、語る。ということをおぼえておく。

あなたが、カギとなるようなセールスポイントを作るために、初めての人というストーリー、顧客についてのストーリーなど、ストーリーを使うことができるのであれば、そうしてください。ストーリーは、売ることができ、事実は、語るのみなのです。


6.ロングコピー(長い文章)を恐れるな。

広告のコピーは、あなたのストーリーを効果的に、説得力のあるように、話すのに十分な長さにするべきなのです。


7.“ダブル・リーダーシップ・パス”というライティング・テクニックを利用する。

これは、本当にカンタンなものですが、非常に重要です。この考え方は、消費者の行動の範囲の両端を理解して、リーチするということです。

消費者の行動、それは、“分析的行動”そして“衝動的行動”です。

分析的な人は、長い文章を読み、できるだけたくさんの情報に興味を持ちます。
衝動的な人は、たくさんの文章を読むほどの忍耐力が欠けていて、メッセージをすばやく得たいと思っています。

あなたが、自分のコピーや、形式を書くとき、衝動的な人が、すばやく読み、メッセージの意味をとらえ、行動を起こしてもらえるように、あなたは、自分のメッセージの重要な部分を、ヘッドライン、サブヘッド、写真のキャプション、レスポンス・デバイスに入れるべきなのです。


8.コピーを、不必要に短くする必要はない。

セールスメッセージから気持ちをそらすような言葉に注意してください。
もし、その言葉やフレーズが、セールスのプロセスを進めることができないなら、なぜそこにあるのでしょうか?

ほとんどのコピーライターは、粗い下書きを1日か、2日のクールオフ期間をおいてから、編集しています。これと同じアプローチを使ってみてはいかがでしょうか。


9.文、段落を短くする。

複雑な文章構造や、長い段落は、多くの人をこわがらせたり、困惑させたりします。
あなたの読み手の知性や洗練さを過大評価するというありきたりなミスをしないように気をつけてください。


10.緊急性を作り出さなければならない。

たとえば、ある一定期間以内に締め切られてしまう、ディスカウントや特典のオファーをすること。迅速なレスポンスに対して、ボーナスのインセンティブを加えること。


11.リンゴとオレンジを比較する。

たとえば、8000円のカセットプログラムがあります。
それとまったく同じ内容の情報をセミナーに出席して手に入れようとすると、30000円、40000円、もしくは50000円支払うことになります。

また、あなたとあなたの奥さんが、雰囲気のいいレストランで素晴らしい食事をしようとするなら、それよりはるかに高い金額を支払うことになるでしょう。


12.繰り返しは、重要で、有益なテクニックです。

ダイレクトメールで、同じメインのポイントを、何度も、違った方法で示すことは賢いやり方です。


13.P.S.(追伸)のチカラを使う。

ほとんどのダイレクトメールのコピーライティング・プロは、たくさんの人がレターを飛ばしてP.S.を始めに読んでいることに同意しています。このことを2つの方法で利用できるのです。

第1に、あなたのレターには必ずP.S.を付けること。第2に、P.S.に、強力で、興味を引き、説得できるような言葉を入れる。

たとえば、ボーナス(特典)をオファーすることなどは、効果的でしょう。


14.広告のコピーの学生になる。

あなたが受け取った、あらゆるダイレクトメール広告から、慎重に学ぶのです。
また、あなたが特に説得力があると感じたダイレクトメールを集めるのです。

それらのうまい広告コピーの共通点を認識して、いくらかの期間が経てば、あなた自身のコピーでマネできるようになるでしょう。

あなたの広告のコピーは、どうなっていますか?

広告に実際に適用してみれば、あなたの売上や利益を最大にするために、きっと素晴らしい効果が得られることでしょう。

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マインド直感型、思索型、感情型、合理型──あなたが話している相手はどのタイプか?

性格スタイルの違いを理解することによって、自分のコミュニケーションスタイルを修正することができる。それによって、聞き手に最も理解されやすい形でメッセージを伝えることができ、コミュニケーションの不全というリスクを減らすことができる。

ユングの理論を応用した代表的な判別法に、人間を16の性格スタイルに分類するマイヤーズ・ブリッグス・タイプ分類表がある。再就職斡旋会社、DBMのCEO幹部指導部門の責任者、ボビー・リトルらは、これをもとにコミュニケーションに最も直接的な関係がある4つの特質に焦点を絞って、性格スタイルを判別している。

●直感型

途方もない構想を抱く人間、常識の枠を超えて新しいことを考える夢想家である。長期的な思考、イノベーション、可能性の世界が彼らの特徴だ。現在よりも未来に焦点を当て、ときに現実から遊離する。また、実験を好むので、間違うことは彼らにとって大したことではない。彼らの最大の欲求は、周囲の人々から是認され、支持されることだ。人口の約13%がこのカテゴリーに入る。

コンセプトが最初に来て、事実は最後の最後に来るのが直感型の特徴だ。自分の立場を裏づける事実をほとんど持たずに途方もない構想を支持する傾向がある人は、おそらく直感型だ。事実を並べ立てられたら、彼の目はどんよりしてくるはずです。

直感型の話題は飛躍しがちで、「エキサイティングだ」とか「もし……だとしたら……」といった類の言葉やフレーズを多用する傾向がある。


●思索型

直感型の正反対で、論理、客観性、体系的な探究を重視する。どこまでも事実を求め、その事実を慎重に分析するまでは結論を出さない。また、一つ一つのアイデアの因果関係を検討してからでないと先に進めない。

彼らの最大の欲求は、事実を正確に把握することだ。思索型の割合は比較的小さく、人口の約14%である。

彼らはきわめて論理的で、話のポイントごとにそれまでのポイントとの関連を細かく把握しようとする。また、話を裏づける証拠をたびたび要求し、その主張が正しいかどうか確認しようとする。彼らの話や表現はきわめて控えめで正確だ。また、他人との物理的な距離を比較的大きく取ろうとする。

●感情型

人間が最大の関心事という人々だ。調和を大切にし、きわめて敏感で人の気持ちを慮り、意思決定に関して人間的側面に関心を持つ。

彼らの最大の欲求は安心感だ。このタイプは人口の約30%を占める。彼らにとっては、話している相手と個人的なつながりを築いていると感じることが重要だ。そのため、あなたの生活について尋ねるなど、個人的な軽い話題から会話を始めることが多い。実際、感情型の人間はかなりおしゃべりだ。

彼らの話には、多くの物語が盛り込まれ、「私はこう感じる」などのフレーズがよく使われる。誕生日にカードを送ってくるのはこのタイプです。

●合理型

実際的かつ行動志向で、思索型と同じく事実を好むが、それは話の本筋に最も関連のある事実だけだ。合理型は現在に焦点を当て、概して切迫感を持って行動する。彼らは有能な実行者です。

彼らの最大の欲求は結果を得ることだ。このタイプの割合は最も多く、人口の約44%にのぼる。

合理型の人間は、概して口早に要点をかいつまんで話す。この傾向が強すぎてぶっきらぼうに感じられることさえある。焦点を当てるのは当面の目標であり、彼らには他の話題を受け入れる余地はほとんどない。本題とは明らかに関係がない話を交えすぎると、「要点は何ですか」というそっけない言葉で話をさえぎるだろう。


「相手に合わせたコミュニケーション」
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相手のスタイルを見分けるだけでは問題は解決しない。自分自身のスタイルも知る必要がある。そうすれば、自分と異なるスタイルを持つ人たちに最も効果的にメッセージを伝えられるよう、自分のスタイルを修正することができる。ただ、自分のスタイルを変えすぎたら、逆効果になりかねない。

さらに、あなたの会社の全般的なコミュニケーション・スタイルから逸脱しないよう気をつけなくてはいけない。非言語的な手がかりに注意することも大切です。そうすれば、自分が正しいアプローチを取っているか確認できます。

以上の点を踏まえて、それぞれのタイプに対する最も効果的なアプローチの仕方を以下に説明しよう。

●直感型

直感型の人間と効果的にコミュニケーションを取るコツは、時間をかけることだ。短い言葉を矢継ぎ早に投げかけたら、彼らは間違いなく興味を失う。対象となっている話題のあらゆる面──会社にとっての意味、その部署にとっての意味、自分たち自身にとっての意味──について、彼ら自身に考えさせよう。細かい点について話しすぎると、彼らはうんざりしてしまう。

質問を通じて彼ら自身に考えさせるのも一つの方法です。場合によってはプレッシャーを与えてもよい。新しいアイデアを出すという挑戦に立ち向かうことで、彼らは成長します。

●思索型

アイデアを非公式な形で伝えたのでは、彼らの関心を引くことはできない。何を語るにせよ、その内容は事実だけでなく綿密な分析によっても裏づけられていなくてはいけない。論理的に結論へと導く体系的かつ具体的な議論を展開する必要があるということです。

すべての証拠を集めるまでは思索型にはアプローチしないほうがよい。証拠がなければ、彼らは話を真剣には受け取らない。また、感情を交えすぎないよう注意しなくてはいけない。

●感情型

このタイプにも、余分に時間をかけることで、はるかに効果的にメッセージを伝えることができる。それは彼らが感情的に傷つきやすいからです。

ゆっくり話を進めよう。プレッシャーをかけすぎたり、威圧的だったりしてはいけない。個人的な話題で和やかな雰囲気をつくり、それから、あなたのメッセージの人間関係面での意味合いやほかの人々に対する影響を説明しましょう。

感情型は周囲の人々がどう思っているかに大きく影響されるので、同僚たちがどんな反応を示したかを説明しよう。質問することによって彼らの関心を引き出そう。感情型は概して、ほかのタイプほどすんなりとは自分の意見を表明しない。

●合理型

合理型に対しては、簡潔さがカギになる。彼らは行動の人なので、単刀直入に話をしよう。雰囲気づくりの身近な話題など、彼らにとってはイライラするだけだ。彼らが望むのは、どうやって目的を達成するかを示す事実と道筋を知ることだ。回りくどい言い方をしたら、「要点は何ですか」と切り込まれることだろう。

彼らを挑発してはいけない。闘争心が旺盛な合理型にそんなことをしたら、拳を振り上げる許可を与えるだけです。

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「夢を念頭に置き、自らの価値観に従って目標を追求すれば、奇跡が起きる!」