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ブラ同点弾!さすがは虎のキングや〜

 8回、中越えに同点ソロを放ったブラゼルをパフォーマンスで迎える全セ・ナイン(撮影・村中拓久)
 8回、中越えに同点ソロを放ったブラゼルをパフォーマンスで迎える全セ・ナイン(撮影・村中拓久)

 「オールスター第2戦、全セ5-5全パ」(24日、新潟)

 初開催となった新潟の夜空にブラ弾が舞った。阪神のクレイグ・ブラゼル内野手(30)が八回、楽天・川岸からセンターバックスクリーンに飛び込む同点1号。阪神の外国人としては06年のシーツ以来となる一発だ。球宴舞台でも魅せてくれた勝負強い打撃で27日・横浜戦(甲子園)から始まる後半戦でも打ちまくってくれ〜!

  ◇  ◇

 越後の夜空に夢を乗せた。ブラゼルが描いた起死回生の放物線。新潟のバックスクリーンを襲った特大の130メートル同点ソロが、セ・リーグのベンチを一つにした。

 その瞬間、原監督らセのスター軍団が両手を突き上げた。1点を追う八回。先頭で打席に立ったブラゼルが、ここぞの場面でぶっ放した球宴第1号。パ・リーグ5番手川岸の外角直球を完ぺきに仕留め、劣勢ゲームを振りだしに戻した。興奮気味にダイヤモンドを一周すると、凱旋(がいせん)したベンチ前で、予告していたパフォーマンスを球宴初開催の地に刻んだ。城島の音頭でラミレス、阿部、球児、久保康、和田、前田健が共演し、豪快アーチの祝福を彩った。

 「ラミレスとは(パフォーマンスの)話をしてたんだけど、ほかの選手とは全く話していなかったからね。皆がああいう形で協力してくれたことは、ホームランを打った以上にうれしかった。チームの雰囲気も良かったし、あれで一つになれた気がしたよ」。シーズンで本塁打を争うライバルたちの心意気にも感謝し、球宴の醍醐味(だいごみ)を堪能した。

 「その前に2三振していたし、あの場面ではホームランよりも、塁に出ることを考えていた。しっかり打てば、何かが起こるかもしれないからね。最初の2つ(三振)はカバーできたんじゃないかな」。5番一塁で先発出場も、第2、3打席で涌井、永井から三振を喫していた。迎えた最終打席で派手な花火を打ち上げ汚名を返上。前半戦の集大成を派手に飾った。

 「伝説」と会える日を心待ちにしている。ここまで30本塁打で虎打線をけん引してきたブラゼルには「夢」がある。先月来日した史上最強の助っ人ランディ・バース氏から、王貞治氏らの持つシーズン55本塁打の日本記録更新を託され、感激した。そして、来月再来日するバース氏から知人を介し「会える機会があればぜひ会おう」とラブコールを送られたのだ。「サインをもらいたいよ」。8月の初対面が待ちきれない。

 「今夜は思い出に残る1本を打てて良かった。シーズンの前半戦はいい形で終われたけど、それに満足することなく、後半戦もしっかり打っていきたいと思っている」

 賞獲得は逃したが、それに値する活躍を見せた。ブラゼルの千金打が、「祭りのあと」にこれ以上ない勢いをつけた。

(2010年7月24日)







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