家庭に設置された太陽光発電システムの約3割が、12年以内に故障している――。NPO法人「太陽光発電所ネットワーク(PVネット)」が23日、そんな調査結果を発表した。「10〜20年故障しないと言って販売されるケースが多いが、実際は注意が必要だ」と呼びかけている。
同ネットの会員が設置した太陽光発電システム483台について調べたところ、149台(31%)が設置から12年以内に故障していた。設置の仕方が悪くて故障したり、部品が劣化したりする例があった。落雷や、電線などの影で太陽光が当たらない部分からの劣化がみられるという。
また、詳しく調べた32台では、部品の劣化で発電量が低下。本来の性能などから予測される発電量と比べると、実際の発電量が10年で4割下がったケースもあった。
政府は温室効果ガスを2020年までに90年比で25%削減させる目標を掲げている。このため、環境省案では太陽光発電システムを20年までに1千万世帯に普及させる考えだ。PVネットの都筑建事務局長は「販売業者の説明が不十分で、経年劣化などに気づかない消費者が多い。大量普及させるなら、業者の説明義務を徹底させたり、メーカーの製造技術を向上させたりすることが必要だ」と話す。