女湯チン入男、女性客のひざげりで退散

　栃木県・鬼怒川温泉のホテルにある女性浴場に女のフリをして潜入、女性客に抱きつこうとした２５歳の男が２４日までに、同県警今市署に強制わいせつ未遂容疑で逮捕された。色白の細身で長髪、薄暗い場所では「女性に見えなくもない」男は、胸からバスタオルを巻くなどして女性ぽく“偽装”。決行直前に下半身を露出し「男」になったが、女性客からひざげりで反撃され退散した。妻がいる身だが「ムラムラした」と供述しており“欲情”を抑えられなかったようだ。

　今市署に逮捕されたのは、埼玉県羽生市、会社員渡会圭介容疑者（２５）。調べでは、同容疑者は６月２７日午前４時１０分ごろ、栃木県日光市・鬼怒川温泉にあるホテルの女性大浴場に侵入。女性のごとく、胸を隠すようにバスタオルを体に巻き、女性客（４９）に正面から抱きつこうとした疑い。容疑を認め「ムラムラしてやってしまった」と供述しているという。

　同署によると、渡会容疑者は女装をしていたわけではないが、茶色の長髪で細身、色白のため、薄暗く湯けむりが漂う中、後ろから見れば「女性に見えなくもない」風ぼう。当時浴場内には、この女性客１人しかいなかった。

　同容疑者は、女性客が洗髪を終えて立ちあがった直後に接近し、バスタオルをはだけて胸や下半身を露出。「男」を“全開”にした上で、いきなり正面からハグしようとしたという。しかし女性が「キャー」と絶叫し、腕をつかんで抵抗しつつ、ひざげりを放つなどしたため、バスタオルを拾って浴場外に退散した。その後、どのような格好で逃走したかなどについては、同署が調べている。

　渡会容疑者は、土曜日だった６月２６日深夜に羽生市の自宅を自家用車で出発。翌２７日未明にホテルに到着し、侵入したとみられる。ホテルの廊下などでは、今年初め、正規に宿泊した際勝手に持ち帰ったホテル専用の浴衣を着用して移動。宿泊客のように振る舞っていたようだ。

　このホテルでは前週日曜日の６月２０日にも、女性宿泊客が就寝中、客室侵入者に胸や尻を触られたり、財布の中から２万～７万円程度の現金を盗まれる被害が数件連続して発生。そのため今市署員が張り込み、今月４日未明、ホテルに出現した不審な渡会容疑者をまず、建造物侵入の現行犯で逮捕していた。土曜深夜～日曜未明にかけホテルに侵入していた様子がうかがえ、同署では６月２０日の被害についても、同容疑者の関与を調べている。

　渡会容疑者は葬祭関連の会社に勤務。妊娠中の妻もいるという。捜査関係者は「目が切れ長だが、顔そのものは、特段女性ぽくもなく、いわゆるイケメンという雰囲気でもない」と話している。

　［2010年7月25日9時6分　紙面から］