2010年07月12日(月)
輿石さん薄氷の逃げ切り 参院選山梨 党重鎮の面目保つ 大接戦制し陣営安堵
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陣営関係者と握手をして当選を喜ぶ輿石東氏=甲府市西高橋町の選対本部事務所 |
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10カ月前、歴史的勝利を飾った民主党に当時の追い風はなかった。11日投開票された参院選で、山梨選挙区は民主党参院議員会長を務める現職の輿石東氏(74)が3選を果たし民主参院の“ドン”の面目は保ったが、自民党新人の宮川典子氏(31)と接戦を演じた上での薄氷を踏む勝利だった。迷走の末退陣した鳩山前政権に続き、菅政権も前政権で封印していた消費税増税論を打ち出すなど、政権運営のぶれに対する批判をかわし、逃げ切った格好。一方、国会議員がゼロになった自民党は「王国」再建を目指し、党本部のバックアップを受けて攻勢に出たが及ばなかった。 甲府市西高橋町の輿石氏の選対本部事務所。当選確実の一報が伝えられると、陣営幹部や支持者は喜びを爆発させるとともに、「良かった」などと安堵(あんど)の表情を浮かべた。午後11時ごろ、輿石氏が事務所入りすると、会場は最高潮に達して万歳が繰り返された。 輿石氏は、厳しい選挙戦を振り返り「民主党に対し、しっかりしろという、おしかりではないか。自民党に追い上げられたが(支持者)皆さんが守ってくれた」と勝利をかみしめた。 民主参院のトップは、政権交代後の鳩山前政権で幹事長代行に就任するなど発言力は増し、政界のキーマンの一人になっていた。当時、参院選に向け、輿石氏の支持者を中心に「3選は盤石」との声が聞かれた。 しかし、昨年末に宮川氏を擁立した自民党は、輿石氏の相模原市の自宅の農地無断転用問題を追及。北海道教職員組合による違法献金事件を受け、輿石氏の出身母体で高い集票力を誇る山梨県教職員組合(山教組)へのけん制を強めた。 自身への風当たりが強まる中で迎えた選挙で、追い打ちを掛けられたのが菅直人首相の消費税増税発言。陣営内には「自民党時代の政治の仕組みに戻していいのかということが争点にならない」(後藤斎選対本部長)という声も聞かれた。輿石氏本人も「有権者は消費税に敏感。すぐに増税すると誤解されている面もある」と影響を否定しなかった。 危機感が広がったこともあり、輿石氏は17日間の選挙運動中、ほとんどの時間を自らの遊説に費やした。選挙応援のため県外に出たのはわずか2日だけ。「党幹部として全国を応援行脚してもよい立場だが…」と陣営幹部。厳しい情勢が許さなかった。 政界入りして20年間貫いてきたという「ぶれない、逃げない、うそをつかない」の姿勢は、今の政権運営に問われている。3選を果たし、再び永田町をリードする輿石氏は、与党過半数割れの状況について「乗り切っていかなければ日本の政治は安定しない」と気持ちを引き締めた。 「党幹部を務める輿石氏にふさわしい票を」と呼び掛けてきた民主党県連の圧勝の願いはかなわなかった。後藤本部長は、苦戦を強いられた選挙戦について「ここまで接戦になるとは思わなかった。有権者の思いを謙虚に受け止め、(民主党として)反省すべきは反省して前進していきたい」と語った。
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