よこなの StrikerS プロローグ 「空への翼+変態」
0075年 4月 ミッドチルダ
臨海第8空港近隣 廃棄都市街
繁栄と衰退を象徴するここで今から二人の魔導師が魔導師試験を受けることになっていた。
緊張の面持ちで試験が始まるのを待つ二人の少女。
その様子を上空からヘリで見守る二人の女性がいた。
一人はきれいな金髪の落ち着いた雰囲気を持つ女性フェイト・T・ハラオウン
もう一人はヘリの端から下を覗きこんでいる活発そうな茶髪のショートカットの八神はやてである。
はやては自分のデバイスの管制プログラムであり今回の試験監督を務めるはずだったリインフォースから無理やり仕事を奪った男、横島忠夫に話しかける。
「横島さん、二人の様子はどうですか?」
「うむ、スバルちゃんは健康的なかわいさでむちっとした太ももが魅力的だ。
ティアナちゃんはスレンダーだけどあれは着やせするタイプだなこっちは将来に期待」
ヘリに搭載されている通話パネルの画面越しの横島の鼻の下はだらしなく伸びきっておりはやては横島が試験監督を申し出た時に断らなかった事を激しく後悔した。
この男が自分から進んで面倒事を買って出るなんてありえないことだと思っていたのだ。
隣に座るフェイトも顔をしかめている。
「いやそうやのうて、魔導師としてって意味や、機動五課のエースの横島忠夫三等空佐」
わざと階級で呼んだのは彼が仕事にだけは真面目だからである。
エースと言うのは彼のナンパの撃墜率とを皮肉っただけである。
横島はうっと顔をしかめるとすぐに真面目な顔に戻し答える。
「そっちの方は大丈夫そうだけどちっとメンタル面が心配だな、確かスバル二等陸士の方はあの空港爆破の事件の被害者なんだろ?八神はやて二等陸佐」
「うん、なのはちゃんが助けた子らしいんよ、なのはちゃん一緒に働くの楽しみにしとったで、ちなみにお姉さんの方はフェイトちゃんが助けたんやって」
「そっか、でもそう簡単に合格できるほど俺の試験は甘くないぞ、ヒーヒー言わせてやるからな」
「あぁ、横島三佐の用意したトラップ、ビデオカメラは全部なのはちゃんが撤去しましたよ、試験の邪魔でしたので」
そこにそれまで会話に参加していなかったフェイトが感情を意図して込めない声で話しかける。
「そんな・・・・・・あれを買うためだけに頑張って昇級試験を受けたのにあんまりや~」
そう言って駄々っ子のように地面をたたく横島を眺めながらはやては試験が始まるまで試験横島と自分達の特殊すぎる出会いを思い出していた。
はやての親友である高町なのは達がかつて闇の書と呼ばれた魔導書を封印すべく死力を尽くしていたとき、管制プログラムであるリインフォースを闇の書の闇である自衛プログラムから切り離したはやての耳に突然間の抜けた声が聞こえてきた。
「あー死ぬかと思った」
彼の第一声はそれであった。
その後闇の書の中から救出された横島と次元航行艦アースラの艦長であるリンディの旦那さん(クロノの父親)であるクライド・ハラオウンによると、横島はとある次元世界で闇の書を封印しようとして飲み込まれてしまったらしい。
何とか吸収されるのは防いだが、その後中に閉じ込められていたらしい。
その間できたことといったら同じように飲み込まれたクライドを助けることだけだったとのこと。
ちなみに中で彼らは意気投合したらしく今でも友好が続いている。
嫁と娘の話になると嫉妬した横島がどこからが藁人形を持ち出し呪い?をかけるといったやりとりなどがあった。
魔法の天才であるなのはでさえいまだにどういう原理でかけられているのかよくわからないらしい。
救出された彼らは、闇の書の封印に協力し、周りの怪物を除去し、なのは達が闇の書に攻撃する際のフォローをした。
封印が終わった後、次元漂流者として保護された横島は彼の元の世界が見つからなかったこととクライド、リンディの勧めと援助を受けなのは、はやてと同時期に管理局に入局した。
一緒に戦ったことがあるということで彼らは一緒に任務に就くことが多く、少女の前では相手には横島もセクハラを控え目にするという事で彼らはそれなりにうまくやっていた。
横島のほうもなのは達が命の恩人であることや、フェイトがクライドの養子になったこともあり公私含め妹のように接していた。
そういえば横島さんなんでスバルちゃんのことを知ってたんやろう。
自分ですらなのはちゃんに言われるまで気がつかなかったのに・・・・・・
「試験、始まるよ」
フェイトの言葉に現実に引き戻されたはやてはヘリの中に戻り席につくと自分のパネルを出して横島達の様子を見ると、横島がすごく投げやりに二人の受験生に説明をしていた。
少しいじめすぎたかなとも思ったがいつもの事なのでほおっておくことにして試験が始まるのを待った。
自分が見出したこの子達がこれから自分の立ち上げる隊にふさわしいか見定めるために。
彼女の新設する通称機動六課には幼馴染であるフェイト、なのはも参加する予定である。
横島に声をかけなかった理由は部隊総魔力規制に引っ掛かることと横島は機動五課の副隊長を務めている責任のある立場だったためだ。
ちなみに隊長は管理局に復帰したクライドだ。リンディは闇の書事件の後始末を終えると退役して家事に専念している。
5年ほど前に二女のレア・ハラオウンを出産し幸せの絶頂である。
だからといって任務中にのろけ話を聞かせないでほしいというか通信士の奴らも元艦長だからと言ってつながないでほしい。こちとら彼氏いない歴=年齢なんやから
脱線したがそういうわけで声をかけられなかった横島が憤慨しなんやかんや言って今回の試験官を希望したのだ。
それに声をかけなかった負い目もあってはやては承諾したのだった。
しかし、六課を立ち上げる時は横島も協力しているので本気で怒っているわけでもない事はみんな承知していた。
「そう言えばなのはは?」
「なのはちゃんなら、コースの障害物のチェックに横島さんのせいで手間取ったから後で合流するって」
「そか」
「試験時間は十五分、怪我しないように気をつけてな、それじゃ始め!」
「「はい」」
横島の声を合図に二人の少女が一斉にスタートする。
ローラースケートを使い軽快に滑るスバル・ナカジマ、それに苦も無く走ってついていくティアナ・ランスターを送り出した後横島は一人呟いた。
「あの時の女の子が大きくなったなぁ」
その言葉に卑猥な響きは感じられなかった。
0071年のちょうど今頃、この近くの空港で大火災事故が発生した。
春にしては暑い日だったなあと横島は順調に障害物をクリアしていく少女達を視姦しながら回想する。
当時本局で知らせを受け取った横島は文珠で「転移」した後、両側に設置した「門」の文珠を発動し多数の応援を集め、文珠の連続使用で消耗した横島自身は怪我人へのヒーリングを行った。
幸い軽傷者が多かったので当時の横島の拙いヒ―リングでも何とかり死者は出なかった。
しかしやはり怪我をした人たちが苦しそうにしていた記憶は残った。
指揮官としてその場にいたはやても何か思うところがあったらしくその後必死でキャリア試験を受けていたのをよく覚えている。
―――――――――――機動六課――――――――――
その新設される課の話をはやてから聞かされたとき横島は誘われなかったことを寂しく思ったが、それだったら外から何とか助けてやろうと考えた。
三人の中で毒を飲めそうなのははやてだけ。
ならはやてを表で支えるのはなのは達やヴォルケンリッター達に任せ裏から支えようと思った。
自分の世界にある管理局とよく似た組織であるオカルトGメンも一枚岩ではなくよくピートや西条から愚痴を聞かされていたからである。(後者はほとんどなかったが)
曰く動きが遅い、上の承認を待ってたら日が暮れる、だから民間GSに頼らざるをえなくなるだのetc
そして管理局も組織である以上闇の部分もあるだろう。
優秀すぎるがゆえにはめられて左遷された父を持つ横島にとっては
そういった事も気にしていた。
そんなときこの試験の事を知ったのだ。
自分の命の恩人であるなのは達の仲間になるかもしれない子達を自分の目で見てみたいという理由もあり、視姦するついでにちょっと見てこようと考え今回の試験官を申し出たのだ。
そして、資料を受け取った時に横島は違和感を感じた。
試験場所、時期、受験生、それを見守るはやて達。
ティアナ以外すべてがあの事件に関わりのあるものだった。
偶然の一致で済ますこともできたが横島はそう思わなかった。
何かが始まろうとしている。
横島の霊能力者としての勘がそう訴えている気がしてならなかった。
「まっいーか。そんなことより仕事仕事♪」
横島はそう言って視姦官(誤字にあらず)としての仕事に戻るのであった。
あとがき
いろいろと説明不足のところは続きで説明します。
横島君のギャクシリ比は9:1を目指します。
試験があるので次は一週間以上先になります。
プロローグのためちょっと短め?。感想待ってます。
追記1
パスがなぜか消失したので新しいパスで上げます。
前のほうはパスが見つかり次第削除します。
出だしからこうですみません。
追記2
前の方を削除完了しました