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数学者で京都大名誉教授の森毅さん死去 独特な社会評論

2010年7月25日20時34分

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写真にこやかに語る森毅さん=2008年、東京都千代田区

 数学者で時事問題にも鋭い視点で論評し、「よろず評論家」として活躍した京都大名誉教授の森毅(もり・つよし)さんが24日、敗血症性ショックのため大阪府内の病院で死去した。82歳だった。2009年2月27日、自宅で料理中にコンロの火が服に燃え移り、重いやけどを負って入院していた。葬儀は行わない。

 東京都生まれ。東京大理学部で数学を専攻。卒業後、北海道大助手などを経て1957年に京大助教授、71年から同教授。京大教員時代からテレビに出演し、関西弁の独特の語り口が評判になった。91年に退官後、講演や執筆活動のほか、テレビのコメンテーターでも幅広く活躍した。

 画家の安野光雅さんとの話を収めた「対談 数学大明神」や「異説 数学者列伝」など著書も多数ある。

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 画家、安野光雅さんの話 数学でもそのほかの分野でも、専門用語でなく普通の言葉、自分の言葉で話す人でした。だから、数学者じゃない私とも、世間話のように数学の話をすることができた。2度目に会ったのが対談となり、昼間から翌日の夕方までで一気に話した。それが「数学大明神」となった。疲れたけれど、本当におもしろかった。常にニュートラルで自由。存在感の大きな人でした。

    ◇

 井上章一・国際日本文化研究センター教授(歴史研究)の話 京大で森さんの授業を受けた時、証明の途中で「こんなはずじゃなかった」「このやり方は失敗やったな」と言う姿が印象的だった。後にご本人に「予習していなかったのですか」と尋ねると、「確かに僕はずぼらだったけれど、先生がぶざまな姿を生徒に見せることも大事なんだよ」。専門家はほころびのないよう物事を進めがちだけれど、森さんらしい見識ある構えだな、と感心させられた。

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