数学者でありながら、あらゆる時事問題を鋭い着眼点と関西弁のユニークな語り口で論じた評論家でエッセイスト、京都大名誉教授の森毅(もり・つよし)さんが24日午後7時半、敗血症性ショックのため亡くなった。82歳。葬儀は行わない。自宅は京都府八幡市西山和気6の11。森さんは昨年2月27日に大やけどを負い、大阪府寝屋川市の病院に入院中だった。
1928年東京生まれ。父親が昭和恐慌のあおりで仕事を失い、5歳の時、両親と共に大阪府・豊中に移り住んだ。北野中学(現府立北野高校)から旧制三高へ進み、東京大理学部数学科を経て、51年北海道大助手。57年京大助教授、71年教授となり、数学教育協議会副委員長なども務めた。91年定年退官。
専攻は関数解析学。退官後も幅広い文筆・講演活動を展開し、テレビやラジオにも頻繁に出演。豊富な知識を生かし、政治や教育、公務員の不祥事はもちろん、プロ野球、クリントン元米大統領の不倫問題などあらゆる問題を論評した。
著書は「位相のこころ」「ものぐさ数学のすすめ」「チャランポランのすすめ」など100冊を超える。
毎日新聞 2010年7月25日 17時44分(最終更新 7月25日 18時12分)