JASMINE interview 普通だけど斬新、‘いま’をつかまえるコトバのチカラ

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初のライブツアーを終えたばかりのJASMINE、ファンの熱気をダイレクトに感じた勢いのままアルバムをリリース、サマソニ出演も決定! ライブ中も、ファンへの感謝の言葉をまっすぐに口にしていた彼女らしく、ツアー直後に設定された取材日には高熱にも関わらず長時間のインタビューに答えてくれるという生真面目さ。独特な歌詞で大事な気持ちをすくい上げてくれるその作品の通り、‘芯’ のある言葉を連発!

超個人的なことを歌ったのに、たくさんの人に共感してもらえる

初のライブ・ツアー、お疲れ様でした。歌ももちろん、すごいセット、演出で楽しませながらトータルで楽しめました。実際にファンを目の前にして、どうでしたか?
びっくりしました。最初札幌だったんですけど、女の子がキャーキャーキャーキャー黄色い声援で、自分がジャニーズになったんじゃないかと思うくらいビックリしちゃって。私的には普通の人間やってるだけなんで……。(ライブ中の) しゃべりは……勉強します。せめて、かまないでしゃべるくらいはしたいですね (笑)。
それも初々しくてよかったですけどね (笑)、ツアーの中で面白かった場所は?
大阪ですね、アメリカ村とか行ったら、すごく派手なんですよ、人が。キャラが濃いというかなんというか。東京はミクスチャーされてて、みんなが中間にいるみたいな感じになってるじゃないですか、似てるっていうか。大阪はパキっと分かれてて、渋谷も昔はそうだったと思うんですけど。大阪に住みたいと思いました (笑)。
派手なのが好きなんですか? そういえば毎回、アートワークもカラフルですよね?
そうですね、派手、好きです (笑)。それでアルバムも、なんとなくゴールドになっちゃいました。いざアルバムを作る、となって最初は「どうしよっかな、虹色かな」とか、「でも黒かなー」とかいろいろ思って。それでシングル5枚並べてみたら、レンジャーに見えたんですよ、戦隊モノの。全員すごく強そうで。それで戦隊モノは絶対、ボスが居るじゃないですか? そういう精神的に一番強いヤツなんで、金にしました。金て一番強くないですか? 折り紙のなかの金色っていうイメージがあって、金は最後まで大切に残しておくじゃないですか? ちょっと質が違いますよね。そういうアルバムにしたいなって。私の中のイメージでは、洞穴なんですよ。洞穴の中にアジトがあって、そこに金銀ざくざくみたいな。で、ボスは満たされてるから寝っ転がってるんです。で、ボスだからなんにもしないんです、戦隊に言うだけ (笑)。
そういったイメージを、ああいったアートワークで形にするのは、どういう作業だったんでしょう?
アートディレクターのタナカノリユキさんとスタイリストのジャイアンさんと、打ち合わせでリリック (歌詞) を見せて「次は何色で」、「怖い感じでお願いします」とかイメージを指定して。それをタナカさん的に受信して、それをまたジャイアンさんに送信して、みたいな……そういうやり取りで出来上がります。
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ライブでもバックの映像がしっかり歌と結びついて作られてましたよね? 「dear my friend」では映像ではなく歌詞を流していて、それがまたハマってました。
ライブでの映像は私の思う曲それぞれのイメージです。「dear my friend」は映像いらないかな、って思ってたんですけど、歌詞を出したらいいじゃないって言われて。
あの歌詞は、きっと悩んでる人たちにすごく届く言葉だと思いますね。だからあの演出はとてもよかったと思います。
超個人的なことを歌っただけなのに、そういうふうに受け取ってもらえることがありますね。まさかの反応っていうか。「dear my friend」とか「sad to say」とか、本当に個人的なことなので。
面白いでしょうね、私的な気持ちの部分に共感してもらえるっていうのは。それだけダイレクトに、みんなが思ってたことをちょっと違った切り口で言葉にできる。だからみんな「あっ」って思わされるんですよ、きっと。
楽しいとか、アッパーなやつだとあんまり考えないんですけどね、ノリで書きます。
個人的には「CLUBBIN"」がとても面白かったですね。
あれは日記です。普段こんな生活してるのとか、普通の人からしたら遊びすぎかな、とか (笑)。こんな生活できなくなるかもしれないから、今のうちに日記にしとこうと思って。

その人自身の背景が伝わるような音楽、30代くらいになったら作ります!

ところで、邦楽の中ではちょっと微妙なイメージもつきつつある気がする「R&B」という言葉、これってどう思っていますか?
R&B……飽きられるっていうか、「ここまでだろう」と思っちゃってるんじゃないですか? 可能性を感じるものに人は取りつかれるじゃないですか、例えばメジャー・リーグのイチローとかみたいに。もっと飛び出していこうっていう勢いが必要ですよね。そういうなにか停滞した感じって音楽だけじゃないと思うんですよ。東京全体っていうか。センター街とかスゴかったじゃないですか、前は。センター街にはマンバとかがいて、あっち側にはブラック系が好きな人がいて……ってはっきりしてた。でも今は全部ごっちゃ混ぜになって、普通の人しかいない。もっと周りの目を気にせずに、自分を出せた方がいいですよね。
そうですね。では最近好きなR&Bってなにがありますか?
最近ですか? 一番良かったのはローラ・イジボア (Laura Izibor) です、涙が出たくらい。「こういうの待ってたー!」みたいな。それまで、‘最新すぎる’ のが多くて、それはそれでいいんですけど、さみしいな、って感じがあって。だからケリー・ヒルソン (Keri Hilson) とローラ・イジボアのアルバムを同時期に聴いて「絶対ローラ・イジボアの方が売れる!」って思ったんですけど……。
ケリー・ヒルソンがすごく売れましたね (笑)。
なんでですかね (笑)?
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一方で、自分の作品はケリーよりですよね?
作る上では、そういう方が構成とか考えられて作りやすかったりするんです。ローラ・イジボアの方は……なんていうんですかね? その人の背景がものすごくわかるみたいな感じが好きで、素晴らしいです。今の私にできないことだからうらやましいって思うのかな? ……あ、あたし30代くらいになったらそうなります。で、40代くらいになったらジャズ・バーで歌う人になるんで。そのくらいになったら、ああいう風に作れると思うんですけど。もうちょっと、ウィスキーとか飲めるようになって、子供1人くらい産んでからですね (笑)。
もう、かなり具体的な野望があるんですね?
そう、私、最後の最後まで歌いたいんです。でもまだその40代くらいまでしか計画ができてないんで、その後、どうするかなって (笑)。(b)

 

discography

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  • GOLD
    (DVD付き初回限定盤)
  • Sony Music AICL2149
    on sale now!
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  • ついにリリースされたデビューアルバムにはこれまでの全シングル曲を収録、DVDも付いた豪華盤。コトバの力を実感させられる大ヒットシングル「sad to say」や「dear my friend」、アッパーなダンス曲「L.I.P.S.」などをバランスよく聴かせる一枚。

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