【ドバイ=太田順尚】イラクの首都バグダッドで22日、政府庁舎や米英大使館などが集まる中枢の旧米軍管理区域にロケット弾が撃ち込まれた。在イラク米国大使館によると、米政府と契約する米民間軍事会社のウガンダ人警備員2人とペルー人警備員1人が死亡、米国人2人を含む同社の警備員15人が負傷した。
イラク治安当局者によると、ロケット弾は米大使館の敷地近くに着弾し、検問所の警戒に当たっていた警備員らが巻き込まれた。米大使館は「残酷で無意味な攻撃」と非難し「イラク国民が民主的な未来を築くための米国の支援は妨害されない」とする声明を出した。
同区域は2009年1月に米軍からイラク治安部隊に治安権限が移譲されるまで、米軍による「占領の象徴」とみられており、武装勢力の攻撃に度々さらされてきた。3月のイラク連邦議会選を受けた連立協議の難航による政治空白の長期化が治安悪化を招くとの懸念が強く、政権樹立を促す米国の圧力が増しそうだ。
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