「唄う楽しさ」を知って以来、
もぅ1日中唄うことばかりを考え続けてました。
──JASMINEさんは、小さい頃から身近に音楽へ接してきたそうですね。
JASMINEさん 両親が音楽好きだったので、物心ついた頃から当たり前のように家には音楽が流れてました。音楽と接しなかった瞬間がなかったくらい、音楽はご飯を食べるのと同じように普通にそこにあるものでした。むしろ、音楽のない生活自体がわたしの場合わからないです。そんなこと言ってますけど、小さい頃は「このレコード邪魔!」とか思ってたんですけど(笑)
──唄い始めたのは、ゴスペルに出会ったことがきっかけだったんですか?
JASMINEさん そうです。中学1年生のときにゴスペル・クワイアのライブを観て衝撃を受け、自分でゴスペルを習い始めたんです。「唄う楽しさ」を知って以来、もぅ1日中唄うことばかりを考え続けてました。
──初めて人前で歌ったときのことも覚えてます?
JASMINEさん 覚えてます。同じく、中学1年生のときだったんですけど。もぅ、緊張のあまり膝がガクガク状態(笑)。1曲目の最初の部分では、ハンパない緊張で大変(笑)。「もぅ立ってるのさえ無理!!」みたいな感じだったのに、歌ってるうちにだんだん楽しくなってきて、最後はむしろ「もっと唄いたい」って気分!! そこで唄う楽しさを実感してからは、もぅ一気に「唄うこと」へ夢中になっていきました。
「一緒に音楽を作りあげることの意味」「なんで唄うのか?」
それを知りたかった日々。
──ゴスペル・クワイアへ参加している頃は、大勢で唄う楽しさを実感。その後、CLUBを舞台に唄い始めてからは、ソロ・シンガーとしての自分を模索していくようになりました。ソロで唄う楽しさはもちろんですが、ハモって唄う楽しさも、やはり欠かせないものですか?
JASMINEさん わたしに関しては、「ハモる楽しさ」と言うよりも、「みんなで一つのことを成し遂げること」のほうが楽しかったんです。小学生の頃から唄うのが好きで、両親や親戚の前で歌ったり、「これいいよ」と自分でお気に入りのアーティストを見つけては、友達に紹介などもしてたんですけど。中学生になり、ゴスペルを知り、コーラス隊へ入って活動を始めたことによって、音楽を「憧れ」じゃなく、「表現するもの」として捉えられるようになって。だからこそ、感じる気持ちもたくさん増えたんだと思います。
──「何故、唄うのか?」。それって、難しい命題じゃないですか?
JASMINEさん それは、今でもよく考えますね。一時期は、「音楽って何?」ということを毎日のように考えてたし。そこを考え始め、自分なりの答えが見つかるまで寝れなかったり。なんか、自分なりに答えを出さないと気が済まないというか、気持ちがスッキリしないんです。だけど、音楽に関する悩みであれば、今でもぜんぜん歓迎しちゃいます。
──歓迎しちゃえるって、なんかすごいなぁ。
JASMINEさん 普段から、悩むことが好きなんだと思います(笑)。
──JASMINEさんなりに、その答えは導き出せました?
JASMINEさん 「自分を信じること」という一つの答えは出ています。今のわたしは、「どんだけ悩んでも、絶対に自分にとってプラスになる答えを出せる」と信じていて。よく、「悩みすぎて死にそうになる」って言うじゃないですか。むしろわたしは、「悩みすぎて、もっともっと生きてやろうと思う」感覚なんです(笑)。とにかくわたしは「自分を信じたい」。ただ、それだけです。
──「自分を信じる」かぁ。確かに、大切な気持ちですよね。
JASMINEさん わたし、小さい頃から自分のことを信じてたんですけど。信じた結果どうなるか…ということを理解できなかったから、「信じること」自体がわからなかったんです。
──信じること自体がわからなかった…!?
JASMINEさん わたし、小さい頃から「歌手になりたい」夢を持っていたんですが、まだ自分自身のことを本気で信じられなくって、「歌手になる」という夢を人に言うことが出来なかったんです。だけどゴスペルを始めて以降、ちょっとずつだけど「なんで音楽が好きなのか!?」ということを考えるようになって「わたしは本気で音楽が好きなんだ」という想いに気づいてからは、自分の気持ちにも自信を持てるようになったんです。それがわかってからは、どんどん自分自身変わっていけるようになりました。
──こうやってメジャーなフィールドに立ってからのほうが、考え込むという面では増えてこない?
JASMINEさん 増えましたけど。むしろわたし、「考え込みたい」んだと思います。考えることがなくなると、逆に不安になっちゃう(笑)。それくらい「考えるのが好き」だし、「刺激を求めたい」人なんです。今でも、自分で刺激のエネルギーが減ってきたら、みずから探しにいっちゃう人なので。
影響って、お互いが作りあげるもの。
──デビュー以降は、Jeff Miyaharaさんと共に楽曲制作を行っています。まずは、Jeffさんの印象から聴かせてください。
JASMINEさん 初めてJeffさんと会ったときは、「なんなんだぁ〜、この人はっ!!」とビックリしました(笑)。でも、最初から「この人は刺激的な人」と実感できていたし。プロとしてずっと第一線で活躍している方のなので、"本当に音楽好きのプロフェッショナルな人"だと感じました。
──今は作詞/曲とも競作してゆくことが多いです。それくらい、互いに刺激を与えあっている関係なんでしょうね。
JASMINEさん 影響って「受ける・与える」じゃなく、「お互いが作り上げるもの」だと、わたしは思うんです。
──お互いが作り上げる…。
JASMINEさん そう。お互いに刺激しあいながら、そこで化学反応が起こり、それが互いに影響として跳ね返っていく。Jeffさんとは、お互いのヴァイブスを確かめあうって言うか、気持ちを共有しながら互いの想いを感じあっていく作業が、とても多いんです。
──歌詞も、一緒に作ることが多いんですか?
JASMINEさん 基本的にわたしがバーッとバース(歌詞)を書いて、そのうえでフックとなる言葉をJeffさんと一緒に選んだりという感じで書いてます。
──JASMINEさんの歌って、どれも感情がヒリヒリしてゆくくらいに刺激的です。
JASMINEさん 『SAD TO SAY』『NO MORE』『THIS IS NOT A GAME』と出した3枚とも、すべて自分の気持ちそのまんま。だからたま〜に悲しい歌の場合、自分で聴くのがつらくなるときもあります。
──歌を聴くと、当時感じていた想いがバーッと甦ってくるんだ。
JASMINEさん そうですね。だから「悲しい曲を書くのは止めよう」と思うんだけど…でも、書いてしまうんだろうなぁ(笑)
──JASMINEさんの場合、ヴィジュアル面も毎回衝撃的じゃないですか!?
JASMINEさん あっ、「衝撃的」だと思います(笑)。スタッフさんたちとも、毎回「爆弾的なものを作ろう」と言ってますから。ただしその刺激も、ただただ刺々しいようなのではなく、「意味のあるもの」にしていきたい。それこそ、「人の脳味噌に残り続けていく」ような気になる刺激を、与え続けていきたいんです。
シングル3枚に込めたJASMINEの想い。
──ここからは、シングル作品を1枚ごとに振り返りたいなと思います。『SAD TO SAY』を制作しているときは、どんな気持ちだったんですか?
JASMINEさん ストリートでの活動経験も重ねていたので、そのストリート臭さや、自分の中にある"少年性"を形にしてみました。
──続く『NO MORE』では、全身緑色という超刺激的なスタイルで魅了しました。
JASMINEさん 『SAD TO SAY』のヴィジュアル面の印象から、JASMINE=ピンクという印象を大勢の人たちが持ってたみたいで、そういう意識で呼ばれることが多かったんです。それを心地好く裏切ってやろうと、思いきり緑色のヴィジュアルにしました(笑)
──そして『THIS IS NOT A GAME』では、まさに闘争心あふれる"赤"い姿で登場しましたね。
JASMINEさん この歌もヴィジュアルも、ライブ中の自分のテンションを形にしたものなんです。
──歌詞にも、「あなたがわたしを満たして」など、刺激的なバースをたくさん並べています。それも、ライブ中のJASMINEさんの心境なんですね。
JASMINEさん 自分がステージ上で歌ってるときもそうだし、わたしがライブ見ながら感じている気持ちでもあるんです。それを言葉にしたら、『THIS IS NOT A GAME』になったって感じかも知れない。
──確かに『THIS IS NOT A GAME』は、刺激にあふれた楽曲だもんなぁ。
JASMINEさん ちょうどライブをした直後で、すごく興奮していて、テンションが上がったまま楽曲を作ったので、聴く人たちも、それくらいのテンションで、この歌に夢中になってもらいたいですね。
──思いきり攻め攻めな曲ですね。そこはバッチリ感じました。
JASMINEさん まさに、このジャケットの肉食獣のような気持ちになりました?(笑)
──あっ、この姿は肉食獣だったんですね。
JASMINEさん 『THIS IS NOT A GAME』の冒頭に虎の吠える声が入っているんですが、最初は虎をイメージしつつ、ヴィジュアル戦略を考えていたんです。それがバッファローになり、結果的に「野生!!」をイメージして作りあげたヴィジュアルになりました。
──2曲目には、ゴスペル・ナンバー『MY LIFE, MY LOVE, MY ALL』を収録。
JASMINEさん わたしにとって"ゴスペル"は、ジャンル分けするものではなく、もっと特別なもの。それくらい大切な宝物だからこそ、もっともっとたくさんの人に「ゴスペルってこういうものなの!!」というのを知って欲しくて、入れました。
──さらに今回は CD EXTRA 仕様で、昨年NE-YOのコンサートにてゲストアクトで出演したときのライブ映像も収録されています。
JASMINEさん メジャー・デビュー後初のライブが、NE-YOのゲストアクトとして出演した、さいたまスーパーアリーナでのステージ。その模様が形になったのは嬉しかったです。しかも6月からは、全国のZEPP を舞台にした完全招待制の全国ツアーも決定しました!!
──JASMINEさんにとって、ライブはとても大切な表現の場じゃないですか!?
JASMINEさん ライブはすっごく大切であり、楽しい場です。とくにわたしは「人前で歌ってこそ」と思っているので、今後もライブは定期的に演り続けたいなと思ってます。
──最後に、改めて『THIS IS NOT A GAME』について、ひと言お願いします。
JASMINEさん 気持ちのアクセルが全開になれる歌!! これからテンションを上げたいときに聴いて、闘争心を燃やして欲しい。それくらい、感情上げるスイッチの入る歌になりました。