『ウワサの噂真』 『噂の真相』四月号を書店で立ち読み。山崎京次氏が 「岡田斗司夫が古オモチャ屋を開くため古物商の免許所得」 とか書いてあって、ゲラゲラ笑っていたら、例の一行情報のところになんと、自分の名前があったのを発見してしまった。 「おたく評論家として注目の唐沢俊一がバイセクシャルとの情報」 やったー、ついに噂真の一行情報に載ったぞー、と一瞬喜んでしまったが、しかし何であるか、コレハ。 たぶん、僕の新著『古本マニア雑学ノート2冊目』に美少年本を買った件があるので、そこからの類推だろうが、どうも“バイセクシャル”などと言われると落ち着かない。うちの女房も 「どうせなら“ホモ”って書かれていた方がカッコいい」 と残念がっていた。まあ、インパクトから言ってホモの方を使いたかったこととは思うが、結婚しているし、そうも書けないので、バイセクなどでお茶を濁したのであろう。気の毒なことであった。 先日、世界最大のゲイパレード「マルティグラ」を取材にシドニーまで行ってきたのだが、あちらは男同士の結婚が認められている国、街じゅうに「ハッピーマルティグラ!」の旗や看板が飾られ、オープンなもの であった。これに比べると日本社会ではまだ、ホモという事実は噂の真相などで“あばかれる”たぐいのものである。僕も以前、ある男性のことをオカマっぽいと書いたら、本人から 「失礼ねッ!アタシ、オカマじゃないわよッ!」 と抗議されたことがある(笑)。堂々とオカマを名乗れる社会の一日も早く来たらんことを。 ところで、今回の噂真、山崎氏のコラムのところに、岡田斗司夫情報の他にさらに、村崎百郎情報が載っていて、そこに 「漫画家の森園みるくと結婚」 と書かれていた。やはり毎度のことながら、このコラムは間違いが多い。実は僕も同じ間違いをしていて、村崎氏から苦情を持ち込まれたことがあるので、村崎氏になりかわって、ここで訂正しておきたい。 ただ、このウワサは僕は実際に、村崎氏と共著の企画があった際に、担当の編集者(某メディアワークス)から聞いたものなのである。村崎氏がさっぱり原稿を書いてくれず、こちらがじれていたら、その編集者 が困った顔で、 「村崎さんは当分、原稿を書ける状態じゃないそうです」 と言ってきた。 「どうしたんです?病気ですか?」 「いえ、セックスに忙しいそうです」 「はあ?」 「森園みるくさんと結婚して以来、毎日々々セックスばかりしているそうで、原稿を書くヒマがないって言うんです。僕も編集者長いことやってますが、こんな言い訳されたの初めてですね」 「はあ。しかし、森園みるくって言えば美形好みで、大槻ケンヂの同人誌とか作ってた女でしょう。村崎さんが好みとは・・・・・・」 「いや、最近は見るだけの美形よりセックスの要求に答えてくれる男に好みが切り替わったようです」 「しかし村崎さん、仕事しないと収入がなくなるでしょうに」 「森園さんが食べさせてくれるからいいんだそうです。原稿催促の電話口で、森園のヤツはセックスの最中の声がやたらでかいから困る、なんてノロケを聞かされるのってのはなかなか大変な経験です」 「わははははははははははは」 こんな面白い話、黙っているわけにはいかん。さっそく、ロフトプラスワンの壇上はじめ、あちこちでしゃべりまくっていたら、十日ほどして、久しぶりに村崎百郎ご本人から電話があった。 「唐沢さん、最近、オレが森園みるくと結婚してセックスしまくっているってあっちこっちで言いふらしているそうですね」 「え、別に僕が言いふらしているわけじゃない、業界でもうその話、もちきりじゃないですか」 「でも、ロフトで話したでしょう。あれ、迷惑なんですよ」 「はあ」 迷惑も何も、自分でいろんなところにうわさをまいておいて、勝手なヤツだなあ、と思ったら、 「いいですか、オレみたいな鬼畜がちゃんと入籍なんてしているわけないでしょう! ただの同棲ですよ、あれ」 「・・・・・・はあ?」 「あの女なんか、愛情をセックスの回数でしか計れない女なんで、オレも負けてられるか、という感じでやりまくってるだけで、ただ単に二人ともセックスの鬼と化してるだけですよ。オレがちゃんと籍入れないと女ともやれない良識人だなんてうわさをまかれたら困るんですよ!」 「ああ、じゃあ、村崎と森園は単なるセックス狂であって、正式に結婚したわけではないやりまくりなだけだ、と訂正すればいいわけですか」 「あ、そうです。よろしくお願いします。まだまだオレも、森園の要求を上回ってます。負けてませんよ、ふっふっふ」 「おさかんなことですな」 「おまけに、それだけでは鬼畜の名に傷がつくと思って、外で別の女をひっかけてもいるんです。そういうときに、結婚してるなんて思われたら、むこうで引くでしょう!」 「そういう問題ではない気がしますが、まあ、了解しました。では次のロフトプラスワンで、その旨、訂正して発表しておきます」 「あ、お手数かけてすいません。それからこないだ本、送っていただいてどうもありがとうございます。弟さんともども大ファンなんで、これからもがんばってください。じゃ、よろしく〜」 つくづく、変な男であることである。まあ、とにかくそういうことであるので、『噂の真相』編集部及び山崎さん、村崎さんの名誉のために、結婚した、という件は訂正しておいてやってください。 |