サッカーU20W杯:韓国女子が決勝T進出

主役は池笑然、FIFA主管大会で男女を通じて韓国人選手初のハットトリック達成

 韓国の女子サッカー界を代表するスター選手といえば、池笑然(チ・ソヨン)=漢陽女子大、19=だ。

 ドイツで開幕したU20(20歳以下)女子ワールドカップ(W杯)で、韓国は17日(韓国時間)、1次リーグD組第2戦でガーナと対戦、池笑然は2ゴールを挙げて韓国を4-2の逆転勝利に導いた。2連勝の韓国はグループ2位以上が確定し、大会史上最速でベスト8進出を決めた。1勝2敗でグループリーグ敗退となった2004年のタイ大会以来、2度目の本大会出場で初の快挙を成し遂げた。

 池笑然は14日に行われたD組1回戦のスイス戦(4-0で韓国の勝利)で3ゴールを挙げ、国際サッカー連盟(FIFA)主管の大会で、男女を通じて韓国人選手としては初めてハットトリックを達成。続くガーナ戦でも池笑然は、0-1でリードされていた前半41分に貴重な同点ゴールを決め、キム・ナレ、キム・ジンヨンの連続ゴールで3-2と逆転した後半42分、勝負を決める4点目をヘディングでゴールに押し込んだ。池笑然は今大会で5点を挙げ、米国のシドニー・ルル(4得点)を抑え、得点王争いのトップに立っている。池笑然と得点王争いを演じているルルは、08年大会で得点王(5得点)に輝いたU20女子W杯の看板スターだ。

 梧州中(ソウル市松坡区)に在学中、チーム60連勝の立役者となった池笑然は、韓国のサッカー史を塗り替え続ける「天才」だ。06年10月に行われたピースクイーンカップのブラジル戦では、女子フル代表の歴代最年少出場記録(15歳8カ月)を更新、1カ月後にはアジア競技大会(ドーハ)の台湾戦で最年少得点記録を打ち立てた。09年のユニバーシアード競技大会(ベオグラード)では、日本との決勝戦で2ゴールを挙げ、大会最優秀選手(MVP)に輝いた。

 ずば抜けたドリブル力とシュート力を兼ね備え、ファンからは「女メッシ」と呼ばれている。ほとんどの国家代表選手が陸上などからの転向組であるのに対し、小学2年生でサッカーを始めた池笑然は、基本がしっかりしていると評価が高い。両足を見事に使いこなし、身長は161センチとFWとしては決して高くはないが、ヘディングにも優れている。今大会は、右足で3ゴール、左足で1ゴール、ヘディングで1ゴールを決めた。池笑然を指導するイ・サンヨプ漢陽女子大監督は、「ゴールの決定力と同様に、パスもうまい。韓国の女子サッカー史上最高の選手になるはず」と語る。池笑然自身、「(フランスの)ジネディーヌ・ジダンのようになりたい」と話すのも、「パスが上手だから」だ。

 池笑然の急成長ぶりは、11年に行われる女子W杯ドイツ大会の本大会出場を逃し、暗いムードに包まれていた韓国女子サッカーにとって活力剤となりそうだ。女子サッカー界は、身長180センチの大型ストライカー、パク・ウンソン(ソウル市庁)=23=が所属チームを離れるなど、暗い話題が続いている。サッカー関係者は、池笑然が女子フル代表の中心選手に成長すれば、韓国の女子サッカーが世界の強豪国に一歩近づけるものと期待を寄せている。

 今回のU20女子W杯は、18日までにグループリーグ第2戦を終え、韓国のほか、北朝鮮とドイツが2連勝でベスト8進出を決めている。今大会は16カ国が4グループに分かれてグループリーグを行い、各グループ上位2チームがベスト8に進出、決勝トーナメントを戦う。韓国は22日午前1時、前回の大会で優勝した米国(1勝1分け)とD組第3戦で対戦する。

チャン・ミンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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