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村崎百郎さん殺害事件 危険が潜むネット情報

7月25日2時17分配信 産経新聞

 作家の村崎百郎さん(48)=本名・黒田一郎=が自宅で刺殺された事件で、村崎さんは腹部などを約50カ所刺されていたことが24日、警視庁練馬署への取材で分かった。「著作に不満があった」などと供述し、殺人の現行犯で逮捕された無職の男(32)が一方的に恨みを募らせたと同署はみている。犯行手段にインターネットを利用したり、著作やネット情報が犯行動機となる事件は後を絶たず、捜査当局で警戒を強めている。

 ■封殺

 関係者によると、村崎さんは約15年前から前衛文化を取り扱う雑誌などに連載を開始。読者を“あおる”文体が人気を集めていた。

 平成8年には、「鬼畜のススメ」(データハウス)を出版。「ステキな彼女と知り合うには」のテーマでは「好きになった女のゴミを漁って、その女の情報を集めるんだ」などと方法論を紹介している。

 同署によると、逮捕された男は「彼の本にだまされたことが分かり恨みを持った。殺すつもりで包丁を買って刺した」と供述。同署は、こうした実践本を実際に試したがうまくいかず、犯行に及んだとみている。

 作家らが著作をめぐって襲撃される事件は頻発しており、平成18年1月には、作家の溝口敦さんの長男が、三鷹市の路上で足を刺され軽傷。溝口さんの言動や著作に反発する元暴力団組員らが逮捕された。

 ■氾濫(はんらん)

 「住所は(インターネット掲示板の)2ちゃんねるで調べた」。男はこう供述した。村崎さんと同居する女性は漫画家で、事務所の所在地として自宅を公表していた。

 日本保健医療大教授(犯罪心理学)の作田明氏は「住所などがネットに広がれば消えることはなく、規制を尽くしても情報検索はできる。不確定な情報に影響を受けて犯行に及ぶ可能性もある」と指摘する。

 実際、国際政治学者の藤井厳喜さん(57)をネット掲示板で中傷したとして今月23日、警視庁に逮捕された男(23)は「2ちゃんねるに記載された(藤井さんの)思想が気に入らなかった」と供述。昨年10月に民主党本部に木刀を持った男が侵入した事件でも、男は「ネット上の民主党批判に触発された」と語った。

 警視庁幹部は「ネットに氾濫する情報をうのみにして触発されるケースは把握が困難で、要人テロにもつながりかねない。こうしたトラブルは今後も発生が予測され対策が必要だ」と警戒を強めている。

 村崎さんと対談した作家の唐沢俊一氏は、自身のホームページで「ネット上にどれだけ人の命を軽んじる発言、脅迫としかとれない発言が蔓延(まんえん)しているか。第二、第三の彼を出してはいけない」とコメントした。

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最終更新:7月25日2時17分

産経新聞

 

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