政権党の最年少幹事長と注目された民主党の枝野幸男幹事長(46)に精彩がない。自ら「人寄せパンダ」と称して参院選で全国を駆け回ったが結果は敗北。噴き出す責任論を前に、論客としてならした枝野氏も憔悴(しょうすい)気味だ。
「反省すべきところは反省し、今後に生かしていきたい」。23日、参院選総括で党本部に集まった東海ブロックの議員懇談会で、枝野氏は平身低頭だった。
枝野氏は参院選直後から、地方組織やブロック別の党所属議員の意見聴取を続けている。出席者によると、終始うつむき加減でメモを取り、「その通りです」と相づちを打つだけだという。先週、面会した西日本の県連代表は「自信喪失、茫然(ぼうぜん)自失という感じだった」と振り返る。
選挙戦で街頭演説の応援に入った1人区18県の戦績は1勝17敗だった。みんなの党との連携に触れた発言などが党内からも批判され、「大変マイナスになった」(長野県連代表代行の羽田雄一郎参院議員)との指摘も受けた。
小沢一郎前幹事長への反発を隠さない枝野氏は6月上旬、菅直人首相(民主党代表)の「脱小沢」路線の先頭に立った。当初は「自分は幹事長に向いていない。首相もそれはわかっている」と周囲に漏らす一方、「古い政治のやり方の9割は変える」などと意気込みも見せていた。
だが、「新しい幹事長像」を掲げた途端、国政選挙の敗北という洗礼を受けた。枝野氏周辺は「本人は悪くても40議席台後半だと思っていた。それが44議席に終わり、相当ショックを受けている」と話している。(倉重奈苗)